2014年のSGI提言の読書日記。IBの広い意味での態度価値を可視化した実践は好きですね。視点があるって、観察する時、自分のことを考えるときも決定的に大事だと思う。道徳の授業の参考になるなー。
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 絶望の闇に人々の心が覆われ、あきらめと無力感で立ちすくんでしまう状態が続けば、問題の解決は遠のくばかりか、同様の脅威が各地で猛威を振るう事態が繰り返されてしまうことになります。
 こうした絶望の闇を打ち払う希望の光明は、「自己目的」ではなく、「何かのため、誰かのために苦悩するときだけ」(『苦悩する人間』)輝き始めると強調したのは、第2次世界大戦に強制収容所に送られた時の壮絶な体験をつづった『夜と霧』で知られる、精神医学者のヴィクトール・E・フランクル博士でした。
 フランクル博士は、苦難に直面した時の人間精神による応戦劇の真骨頂を、次のように記しています。
「重要なのは、避けることのできない人生の運命的な打撃をどのような態度で受け止めるかである。したがって人間は、最後の息を引き取るそのときまで、生きる意味をかちとってわがものとすることができる」(以下、V・E・フランクル/F・クロイツァー『宿命を超えて、自己を超えて』山田邦男・松田美佳訳、春秋社)
 博士はこの人間精神によある応戦を「態度価値」と名付けました。それは、「どのような条件、どのような状況のもとでも人生には意味がある」との思いを奮い起こし、苦難と向き合う中で、その生命の輝きが苦しみを抱えるほかの人々を勇気付ける光明となり、「自分個人の悲劇を人間の勝利に変える」道をも開く価値創造に他なりません。
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いろいろ思うところがあるけれど「態度価値」のところで、まさにここで言われるようなものを含めて広いの意味での「態度価値」をカリキュラムに組み込んで教育を試みている探究学習の文脈を思い出しました。フランクルも極限を経験しているから、だからこそ説得力があるのか。どうしても自分の仕事に引き寄せてしまうのだけど、この態度価値を明らかにすることは、子どもたちの図書環境をどうするのかと言う問題に繫がっている。
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