「この世の道徳的・知的な怪物に対抗する唯一の勇者は哲学である」ショーペンハウワー

すごく面白いです。
僕が今まで読んだ本の中でも最も大切な本の一つになるに違いないと思います。
3章まで読んだところで、
もうショーペンハウワーに痺れました。
「私はいかなる仕方であれ腕力によってではなく、知力によって人類に奉仕するように生まれついていること、そして私の祖国はドイツよりももっと大きいということ、これを深く確信していたからです」ショーペンハウワー
当時の社会状況からショーペンハウワーの言葉を照らしていくと、
今ままでの厭世家であるといった一般的なイメージが刷新されました。むしろ反対のイメージが現れてきて、とても刺戟的な本です。こういうことがあるのは、優れた歴史書を読むことの中でも何にも代え難い素晴らしい経験の一つだと思います。
カントの著作を最近少し読んでいたので、そのつながりのところは僕は特に理解しやすかったです。まだ3章まで一回通読しただけなので、誤読がありそうですし、内容が難しくて理解できないところもあるのですが、カントの道徳哲学の解釈がいろいろな方向にあって驚きました。道徳の根本法則である格率の延長に国家があると考えるのか、国家があるとは考えられないと考えるのかで、こんなに大きな違いになるのかと思いました。思想に対する価値判断がまだ難しいところがありますが、とにかくカントもショーペンハウアーの思索も読んでいて、真面目で誠実で尊いことだと感じました。


ショーペンハウワーのカントを批判する姿勢がかっこいいと思いました。
カントでしょうがショーペンハウワーでしょうが、鵜呑みにしないで批判(吟味)することが大切であるとも思いました。僕もそのまま鵜呑みしないでよく吟味して自分の糧としていきたいです。哲学の歴史の、彼らの先についてもあきらめないでまだ学びたい。


哲学の歴史に残るような人たちもお互いを誤読し合っていて、なんとも複雑な世界だとも思いました。


続きも楽しみ。