- 作者: ジャンニ・ロダーリ,ヴラジーミル・スチェーエフ,関口英子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/10/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ほっとする。『きつねのライネケ』と全然違う。
数々の悪行で訴えられたライネケを裁判をしようとお城につれてくるために、クマが王様の使者と行かされるのですが、
きつねのライネケの罠にはまり、半殺しにされる。クマは罠にはまり、人間にリンチをされる中、このままでは死んでしまうと思って火事場の糞力で罠から抜け出す時に顔と手の皮が剥がれ血まみれになります。半死半生でお城になんとか逃げて帰る。その他、数えきれないほどのライネケの悪行…。ライネケにクマなどいろいろな動物がやられている時の描写が痛々しくて凄まじいです。うさぎなんかはだまして家に連れていって、そのまま食べてしまいます。ライネケがやった罪は他の動物の罪になるように策略を回らせます。クマのときもライネケが畑などを荒らして人間のうらみをかうようなことをしているのですが、その人間のうらみがクマに向かうようにしむけます。恐ろしい悪行の連続の話。でもこの作品奥深いです。ライネケは大物の悪党として描かれているけれど、その周りのライオンの王様とか、その他の登場人物も、それぞれ悪を抱えていて、考えさせられます。王様は自分は直接しないけれど、人の手を使って盗ませている盗人だってライネケは言います。
『みどりのゆび』も読了。
主人公のチトのお父さんは兵器商人。戦争と花の力を対照的に詩的に描いた美しいお話。貧しさが人をいじわるにしてしまうというところなどたくさん心に残っているところがある。花を育てる、花を愛する心と戦争は対極にある。イラク戦争を思い出します。