「361 言ひ訳がつぎつぎと出る生ビール」北大路翼

すごい詩人を発見してしまった。



「時の瘡蓋」北大路翼

去年今年見えない位置に月が出て

目のゴミが小鳥になって七日かな

句読点飛び散つてゐる大くさめ

月凍ててオートロックのかかる音

恋をする男は女木の芽風

春の月以外は全て彫刻に

エイプリルフール僕は元気です

水打つて地球の終はりを待つてゐる


岩ごとに鳥乗せてゐる夏怒濤

月ばかり綺麗で水が死者のごと

金木犀手ぶらで行けるところまで

恥ずかしき人生でした栗御飯

草の花きつとどこかに宇宙人

神様に嘘一つつき冬支度

日向ぼこぼこぼこ圧倒的黄色

十字架が好きなヤンキーホーリィナイッ




「エイプリルフール僕は元気です」
これが特にツボです。