22年度振り返り

・名文つづり

二瓶弘行先生の100の詩集のアレンジ。50を超える名文を集めた文集を子どもたち全員に渡しました。いろいろ目的があったのですが、一つは文章のアイスブレイクです。五十音など笑える軽い名文から入り、漢文や夏目漱石などの文章を読んでおけば(音読)、ある程度難しい本に対する抵抗がなくなるだろうと思いました。たぶん意図通りの効果があったと思います。なかにはすべての名文を暗唱できる子が出てきてびっくりした。本当に優れた作家への橋渡しの意図もありました。将来ゲーテを読んでくれると嬉しいです。ブックリストに『ファウスト』を入れるべきだった。他にも意図がありましたが、やってよかったと思う。子どもたちにも保護者の方たちにも好評でした。



目的

・文章のアイスブレイク

・優れた作家への橋渡し

・脳の活性化

・励まし。心を強くすること。

・ノイズの除去(詩のプリントを配る時間など無駄な時間のカット)



・休んだ子に対する付箋の励まし

岩瀬先生のブログを読んですぐに実践。とても喜んでいた。保護者からはよかったというフィードバックの手紙までいただきました。それからずーっと休みがなく、休みが出たころには、この実践のことを忘れてしなくなっていた。この実践はとてもよかったので、次の仕事では続けたい。こういう細かい丁寧な実践の積み重ねが結局学校教育の経験を創っているので、もっと丁寧にスモールステップを積んでいける先生になりたい。



・ライティングワークショップ

よかったこと

子どもたちがとても楽しんでいた。よく書けるようになった。子どもたち同士の付箋のフィードバック(関わり合いが意欲を育てる)。保護者の方の関わり(子どもたちの作品を紙芝居にして読み聞かせをしてくださいました。もっと関わっていただけるようにできなかったことが改善点です。)。ミニレッスンとして教えることはしますが、活動が中心や自己活動が中心というのが自分の学校教育のキーワードだと思う。そこにたしかな手ごたえを感じた2年間だった。アンケートをとらなかったのことが改善点。たぶんみんな書くことに抵抗がないし、一年間でよく書けるようになったと思う。WWとRW、あらゆる振り返りの場面での言語化、あらゆる場面でも友だちへのフィードバック、この自然に書くということの積み重ねがKAIさんのクラスを見て大切だと感じ、自分も実践できました。



・リーディングワークショップ

学級文庫を充実させたり、読んだ本リストの共有、読み聞かせ、自由読書の時間の確保など4月から意識はしていました。ただ夏休みにたしか翻訳本が出てもっと徹底的に読みについてやろうと思った時が3学期。新たにやることを決めたことがガイデッドリーディング、名文つづりの音読、毎日の読み聞かせ。ガイデッドリーディングはブッククラブになったけれど、それぞれ子どもたちを自立した読み手に前進させてくれたと思う(ガイデッドリーディングはカンファランスにつながったしブッククラブの中でガイデッドリーディングができたと思います。グループによってはガイドを少ししながら一冊の本を音読して読み通すということもありました。音読して途中からひとり読みということもよくありました。)。最後のまとめの読みの業者テストは最低点が90点で平均点は99点でした。ほとんどの子が100点。大きな要因は多読だと思います。一年間は帯で自由読書の時間を確保することを意識しました。PISAでしたか、あのテストで求められる力の一つは情報を取り出す力は多読でほぼ自然にできるようになると思います。



改善点

さらにRWの資料を読むと、本をいれるボックスなど環境デザインの面、あと評価やミニレッスンなどブラッシュアップできること、課題がたくさんある。その分伸びしろが大きく面白いところだと思う。



RWとWWに関しては僕の場合はもっと丁寧な計画が必要。教えること、言語事項などはある程度決まっていたけれど「状況次第」すぎた。仕上がりから逆算して計画を立てること。自立した読み手、書き手とはどんな状態なのかビジョンを明確にする。そこからアクションプランを作成する。





・体験学習サイクル

あらゆる場面で回した。一日を単位に毎日回した。振り返りのジャーナルの帰りの会。でも考えないでやりっぱなしことがまだ多くあったので、もっと徹底して回すことが課題だと思います。掃除でも回したけれど、もっと上手に習慣的にサイクルを回すことが課題。



・掃除

次はお掃除プロ制にしたい。体験学習サイクルを回すこと。



・クラス目標

ルールと目標がごちゃごちゃになっていた自分。もっとわくわくするような目標設定を引き出すことが課題。毎日のクラスの目標の唱和はよかったと思う。音にして質問だったり目標だったりをみんなで確認することは大事。



・算数(予習先行学び合い)

とんたんさんのブログを読み、福島の学び合いの会で教えていただき実践。

効果は絶大だったと思います。クラスの最低平均点が92点でした。全員80点以上、平均90点以上が目標でした。何度か達成できた。簡単ではないけれど不可能ではないので、目標としてよかったと思う。算数の東京都のテストは、43パーセントの子たちが満点で、ほとんどの子が1,2問間違いでした。ミニテストの導入はよかった。自分も子どもも単元の途中で課題が明確になるところがよかった。

①KP法を使った丁寧なインストラクション(自分でいうのも変ですけれど、板書のノイズを減らし、丁寧な説明を心がけました。ミニレッスンの改善)

②予習先行学び合い

③ミニテスト(やったりやらなかったりでしたがかなり意識してできるようにjなった)。
④絵や図を書かせること。これはミニテストに繋がっていた。業者のテストでは求められていないけれど自分は全員に問題を絵と図にして表すことを求めました。


それぞれ学期の途中で知って導入したり徹底したことでしたが、それぞれ大きな前進があったと思います。点数の伸びにそれぞれが繋がりました。全部やることで業者テストの平均が95点を超えることが何度かありました。



・インタープリテーション

ほとんどやれなかったけれど、もっと勉強して実践したい。



・温める言葉:冷やす言葉=4:1

がんばって温めたけれど、かなり冷やす言葉があった一年間だったと思う(ここは教育経験を創る面でとても大きかったところだと思う。結局自分がモデルになっている。ただ温める言葉もたくさん行き交っていたところはよかったと思う。)。決意が大事だと思いました。まだクリップの実践ができていないので、よいところに注目、温める言葉を数値化して、自分の成長に挑戦します。



・人間関係

いろいろ大変だったし苦しんだことが多かったかなと思う。授業の改善、自分の成長(もっとひとり一人温めることできるなど)が解決に直結しているので、やるべきことを明確に前進あるのみ。保護者の方との関係づくりももっとできることがあるし、課題がたくさんあると思う。岩瀬先生の本を熟読して次に活かそう。



・学級通信

もっと子どもたちの作品を共有すること課題。すくなかった。



学校のすべての時間をもっと教育経験として洗練できると思う。課題は多い。課題を見つけることって大事だと思う。もう半分解決している感じがある。あとはアクションプランを明確にして、準備・実行するだけか。



・パーソナルポートフォリオ

自己肯定に繋がっていて、とてもよかっとと思う。

課題、

金曜日に気に入っている学習成果をファイルに入れるなど基本的な枠組み。自由すぎた。あとスキャナつきのプリンター。これがあったらもっとパーソナルポートフォリオが充実したと思う。



・会社活動

WBMと組み合わせで凄くよい実践だと思います。お金はもらえないけれど、実際の仕事の価値創造に近い体験ができる。その過程から学ぶことは大きいのではないかと思う。



・振り返りジャーナル

凄くよかった。一日のサイクルでは体験学習サイクルを回すことを2学期からずっと徹底できた。僕が伝えたかった学び方の一つ。次の学年でも自分で続けるという声がありました(子どもから)。その子は毎日自分が出した一斉の宿題に加えて休みまず自主学習ノートに一日の振り返りを書いてきた子。自立のビジョンに重なります。その子は名文つづりの暗唱にも次の学年でもチャレンジしたいと言ってくれた。



・宿題

自分で自分の課題設定をする自主学習ノートと自分が出す宿題の二本柱でした。

3学期は音読、さらに3学期の途中から百マスが毎日の宿題でした。

杉淵先生の学級の映像を見て思ったことは、音読や百マスなど表現など練習が必要なことはかなり全員にあった課題になりやすいということ。表現読みなんて塾ではやってくれないし、音読や百マス一度分かったら終わりというものでもないです。一斉に出す宿題としてはよかったのでないかと思っています。


・漢字
漢字は先取り学習で、
2学期の終わりには、多くのの子が2年生の漢字の8割以上を書けるようになっていた。やはり先取り学習はよかったです。ミニテストから全漢字テストへの流れ。2学期までは課題はバラバラで合格制でやりました。3学期は全漢字テストに全員チャレンジしました。もの凄く漢字が苦手だった子も最後までがんばってくれた。1年生の漢字はほとんど書けるようになりましたし、2年生の漢字を全部じゃないけれどある程度書けるようになりました。目標設定をして漢字を練習してテストして一緒に話して振り返りをしてどうしていくか考えました。最後まで諦めずにチャレンジしてくれてありがとう。



・フルバリューコントラクト(PA)
KAIさんの教室にある掲示物をほぼそのままコピーして再現。クラスの秩序をこれで守ったという感じでした。途中で自分の解釈が変わっていった。安全の中に安心して勉強ができるという意味が加わった。ふざけている人(というよりは他の人の学習の妨げになっている人)には教室から出て行くのかフルバリューコントラクトを守って参加するのか選択してもらいました。


・PA
ビーイングもよかったと思う。具体的な規範になった。あと何よりもマシュマロリバー。はじめて自分が担任になってからチームで一つにゴールに向かっていく成功体験でした。あらゆる場面で「マシュマロリバーと同じ。どうすればいいと思う?」という対応をしました。すべてが繋がっている。








二つの学校、21年度と22年度連続で、
「頑固である」
「教員に向いていない」と面と向かい管理職の先生に言われました。
昨日はさすがにへこんで年度末の会の後のカラオケを酷い気分になってしまった。どの管理職の先生の自分を心配して言ってくれていることは分かります。ただ、多くの経験を積んだ管理職の先生に2年連続となると、さすがに考えさせられるし、自分にとってもキツイものがあります。それだけの何かが少なくともあるということ。でもたぶんよくも捉えることができるのかもしれない。それにお互い様だというところもあります(自分は全部一斉授業でという基本方針に対して酷いことだと思っているし、子どもがかわいそうだと思っています)。


二つの学校、21年度と22年度連続で、
保護者の方から
「教員に向いている」という内容が含まれた長文のお手紙をいただきました。
自分の教育実践を理解してくれている保護者の方はいます。自分の実践による子どもたちの変容を教えてくれることもたくさんあり、それはとても励まされました。


よく考えると「教員に向いている」という手紙を保護者の方が自分のお子さんの担任へふつう書かないと思う。そういう心配させる何かが自分にあったということかもしれないです。管理職の評価のことがあるので、そう明言してもらえていることの支えは大きいです。あと子どもたちからの「今までで一番いい先生でした」「教え方が分かりやすい」「本が好きになったよ」などの声の励ましの力も大きいです。パーソナルポートフォリオを作っているのですが、自分が一番励まされているかもしれない。


年度末の会で、
はっきり「教員に向いていない」と思うということを副社長に言われた。それはたぶん社長も同意見であることはほぼ間違いないことだと思います。
教員の友だちがいるのかということを質問されたので、そのことを話して、デューイの思想が根本にあって、イエナプラン教育などに惹かれて勉強していると話すと、塾と学校を自分で作って経営するというお話をしてくれました。公立小学校の教員に向いていないという話。でもそれは考え方次第である集団が納得すれば、公立のイエナプラン校ができる。もっと学校を作りやすい仕組みに日本が変わらないかな。そうすれば同じ考えの学校に就職活動ができるのに。



自己評価としては、
課題は多くありますが、
自分の教育実践はねらったとおりの結果に結びついているし、
子どもたちはだれるときも、落ち着かない時もありましたが、基本的に一生懸命に学習に取り組み、多くの力をつけた一年間だったと思っています。

補強で自分のクラスに他の先生が入った時に、「静かにやっていたよ」という驚きが混じった管理職の先生の何回かのフィードバック(そこにいつも静かにやっていないとうい意味がある)は失礼な話だと思いました。子ども同士の関わりがない授業なんだから静かに決まっています。自分が一斉に子どもたちの関わり合いなしで課題に取り組ませる時と同じです。関わり合いがあるのなかで学習の秩序があることが難しい。いろいろその点で不安にさせたことがあったと思う。しかし学習がゆるんだところもありますが、子どもたちは基本的に学習に一生懸命取り組み確実によい結果を出していたというのが自己評価です。活動が中心の授業に手ごたえと可能性を感じた一年間でした。もっともっとよくできる。ある程度ゴールにみんなで向かっていくチーム作りもできたと思います。よい学習プロセスを作れるチームづくりができた。教科書はすべてカバーしつつ、それ以上のことができました。


昨日はかなり強烈なボディブローをいただき、心が折れそうになった感じですが、自分の成長から学校教育での価値創造をもっと前進させていく自信と気持ちがあるので今の仕事でチャレンジを続けようと思います。今日もゴールへ前進。