読書 エチ先生

奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち

奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち

一冊の本を3年間かけて読む授業。脱線しまくる(でも本と無関係ではない)。
教師がガンガン引っ張るコネクターという感じか。凧と飛ばしたり、駄菓子を食べたり、干支の話になったり、百人一首をしたり…。スキーマに繋げるというよりは、教師が本と繋げるためのスキーマを提供するという感じ。でもガイデッドリーディングは読み聞かせの時に写真を用意するなど似たようなことする。この先生はかなりぶっとんでいる感じです。本物に近い体験を用意する。教師の関わり。
RWが選書を核にしていることを考えると対極にあると思う。でも面白い。
自分だったら辻訳の「ああ無常」を使いたいです。
今日再読してまた感動。辻先生の翻訳や注はすごい。翻訳は作品の再創造だと思う。「文読む月日」に載っているユゴーの短い話も何回読んでも泣きそうなってやさしい気持ちになれる(これは北御門二郎の翻訳)。この本で脱線するならショパンの音楽やキリスト教や日本の宗教、王政と共和制の話、幕末の話などに脱線するのだろうと思う。



ただこういう授業の難しさと危険は、先生が選んだ『銀の匙』のテキストが3年間合わなかった人がいたかもしれないということです。ここまで先生の腹が決まっていて、優れたプリント(ノート)を用意されたみたいなので、子どもたちもいい意味で諦めてついていくしかなかったのかもしれないと思う。でもその当時に近いキラキラ光る駄菓子を食べながら『銀の匙』の駄菓子を食べるところの美しい文章を読んだりや凧作りがあったりしたらみんなついていくか(笑)。型破りで面白い。ああ無情ならフランスのお菓子くらい用意しないとだめかな。ああ面白い。




ああ無情―少年少女世界名作の森〈1〉

ああ無情―少年少女世界名作の森〈1〉

少年少女世界名作の森の辻訳の「ああ無常」ならどんな多く分けても全9回くらいの授業になると思う。それくらいなら敢てリスクをおってもいいかもしれない。その間にたくさん脱線しながら読み方を教えることができる。エチ先生をモデルにプリントを準備して、この本でチャレンジしてみたくなってきた。教科書を使わない一斉授業。


ショパンの革命に脱線する。当時の芸術。