Notice & Note: Strategies for Close Reading
- 作者: Kylene Beers,Robert E. Probst
- 出版社/メーカー: Heinemann
- 発売日: 2012/11/01
- メディア: ペーパーバック
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飲み始めてしまったけれど、この本を要約しているところがあるから、
そこを読む。要点を捉えてから細部に進もう。
6つ物語作品を読む時の大事な瞬間として鍵と例えているところがある。
1.Contrasts and Contradictions
対比、対照、反対
読んでいる時に、登場人物のそれまでの言動は反対の言動がある。その時に止まって自分自身に尋ねてほしい。
なぜ登場人物にそのような言動があったのか。
その答えは予想することや、プロットや対立・矛盾を理解することを助ける。
要約を翻訳することこんな感じ。
すぐに思い出せるのは「モチモチの木」
夜にトイレにも行けない豆太が、じさまが苦しんでいる真夜中に医者を呼びに行く。こういう対照的な出来事はまさに物語の主題に直結している大事な要素だと思う。
また「スイミー」。
スイミーはいきなり問題が起きるところからはじまる。スイミーの仲間、その中には両親もふくまれていると思うけれど、いきなり大きな魚にみんな食べられてしまって一人ぼっちになってしまう。人間なら自殺してしまってもおかしくないくらい絶望的な状況だけど、そんな状態でも世界の美しさなどから自分を取り戻していく話。これは作者自身が指摘していたことだけど、ここの対照は立ち止まって考えるべきポイントであることは、作者がここを大事だと言っていることから間違いないのと、そんな作者が作品について語ってくれないこともあるので、その時にはあながちこの対照、対立、反対に注目する読み方は間違っていないということだろう。
ここは細部を読まなくても要約だけでも分かるので次。
2.Word of the Wiser
ぱっと読んでこれも善く分かる。
老人とか先生キャラが人生の重要なアドバイスをくれることがある。
その時に立ち止まって考えようということ。
『ローワンと魔法の地図』
最近国際アンデルセン賞をとって上橋さんの『精霊の守り人』
ヘッセの『シッダールタ』などこれも具体例がたくさん思い浮かぶ。
こういうアドバイスのところはたしかにお話の重要な要素で話し合う価値、考える価値があるところだと思う。
この本にlife lessonという言葉が出てくる。
そのアドバイスがどのような教訓があって、どのように登場人物に影響を与えたか考えることが、お話の読み取りを深めるということ。
3.Again and Again
要するに繰り返し。
詩にはよく見られるけれど、
お話の中でも繰り返し出てくる言葉、フレーズ、オブジェクト、場面(シチュエーション)、metioned(言及されること)。
なぜこの繰り返しがあるのか立ち止まって考えてみるということ。
4・Aha moment
これは1に対する答えのところ。登場人物がそのコンフリクトについて理解するところ。
5.memory moment
これは回想。それがなぜ大事かということ。他のと比べると重要度が低いかもしれない。回想がある物語ってそれほど多くは無い。相対的な問題で、問題《コンフリクト)よりも少ない
6.Tough Question
読んでいる時に登場人物がやっかいな質問を自分にたいしてする時考えてみようということ。
物語のコンフリクト(問題)やこれからどのようなことが起きるのか予想するという読み方に関連するところ。ぼくが勝手にナンバリングした1から4に比べると頻度が少ないかなと思う。でも確かに登場人物がそういう質問することはあるとおもう。思い出すのはドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、そのほかにもよく読めばよくあることだと思う。
飲むと思考が単純化されてしまう。でも要点はこんなもんだと思う。教える価値があると思う。日本の国語の教科書にある物語にもよく当てはまる。これを他の本でも使うことが大切だと思う。たしかに物語を読む価値を生み出すに、こういうことに注目することに意味があると思います。
この本の要点は分かったけれど、これをどう教えるか。
優れた読み手の読み方と絡めて、
具体例(教科書教材かそれよりもふさわしい教材があればそれを使って)のミニレッスン。実際に自分で選んだ一人読みの本、またはペアやグループの読書で同じパフォーマンスさせることもできると思う。書かせれば評価できる。