プラトン『国家』第五巻まで読了。面白かったですし、はっとすることがたくさんあった。教育でどんな音楽がいいのかといった対話が続く。第五巻の最後の真の哲学者とは何かという対話の思考の営みと内容から、後のカントの著作の思考と比べて何が同じで何が違うんだろうって思いました。3から5巻まで読んで、その対話の一部(健康や医学についての話)から、うつ病の概念を広げて、人を薬付けにしている精神科医について思った。プラトンを読んで考える力を養えばこういう人たちにだまされないですむかもしれない。プラトンソクラテス)の主張は納得できることもあれば、とんでもないこと言っているなこの人たちと思うところもある。中身よりも問題提起とか、普遍的な思考法とかそういうことに価値があるのもしれないです。魂を三つに分類できるというところがあって、理性と感性とかそういう哲学の用語につながるのかなと思いました。たぶん岩波の5巻まで(上巻)に理性という言葉は1、2回しか出てこなかった。
ソクラテスとその近くにいる人のやりとりに、笑っちゃうところが何カ所かありました。下巻(6巻以降)も楽しみです。


『ブルー・ゴールド』
見ました。水を商品化してはいけないという明確なメッセージのある作品。今日読んだプラトンの『国家』でも何を共通財産とするべきなのか(私的所有してはいけないのか)という対話がありました。何を民営化してよくて、何を民営化してはいけないのかというのは、プラトンの時代から大事な問題。政治的な判断はたくさんの人の命を左右する。水の商品化から実際に命が奪われている。人災。水資源が枯渇すればさらなる悲劇が待っている。人の命よりもお金が大切な人たちがこの映画の中にもいた。累積債務の問題も思い出して、見た後に落ち込みますが、だからこそこの映画はいい映画なのかもしれないです。

いつも貧困を意識しているわけではないけれど、意識すると苦しくなる。
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