この船、地獄行き (角川つばさ文庫)

この船、地獄行き (角川つばさ文庫)

前の学校の子が面白いと言っていて、読もうと思って数年。
今年度の子も、読書歴としては、かんばしくない子が面白いってつぶやいて、
読まなくてはと今日読みました(病院の待ち時間)。さすがの山中さんで面白い。
ネモ艦長を彷彿させる復讐の船長が出てくるけれど、いいことも言う。ためになることもある。


デューイが指摘するように経験には快不快の側面、その経験がその後の経験にどのように意味があるかという、つまりためになるか、有害なのかという側面がある。


読書のはじめは好きなシリーズなどを見つけて、とにかく楽しめることが大切だと思います。
その時に山中さんの本は大きな味方となってくれると思う。

ここから江戸川乱歩とかドリトル先生シリーズとかに進んでもらいたいなあ。読んだ子には山中作品を読み進めることと共にそのことも提案してみよう。


山中作品は抜群に面白いけれど、ただのエンターテーメントで終わらないところがいいと思います。チャップリンの作品と同じ。敷居は低いけれど、読み終わって気づいたら成長しているというそんな効果がある。