小学校学習指導要領解説社会編

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学校においては,地域の実態を生かし,児童が興味・関心をもって学習 に取り組めるようにするとともに,観察や調査・見学などの体験的な活動や
それに基づく表現活動の一層の充実を図ること。


これは体験や、現場主義的なものを重視するというところ。


(3) 学校図書館公共図書館,コンピュータなどを活用して,資料の収集・活用 ・整理などを行うようにすること。また,第4学年以降においては,教科用図 書「地図」を活用すること。

このような学習活動を実現していく上で,学校図書館公共図書館,コンピュータ などの果たす役割は極めて大きい。その主な理由は,次の三つに整理することができ る。
その一つは,学校図書館公共図書館,コンピュータなどを活用して,児童が学習 問題の解決に必要な情報を検索し収集することができることである。社会科の学習に おいては,実物を観察したり,地域の様々な事象や人々の働きを見学・調査したりす るなど,社会的事象に直接かかわり,触れ合いながら学ぶことが大切である。一方, 県の様子,我が国の産業や歴史などの学習では,観察や調査・見学などの体験的な活 動が困難な場合が多く,学校図書館公共図書館などに備えられた図鑑や読み物,事 典(辞典),参考書などの図書やコンピュータなどから得られる様々な情報が重要な 学習の資料となる。

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その二つは,学校図書館公共図書館,コンピュータなどの活用を通して,情報活 用能力を育てることができることである。児童一人一人が学習問題などを解決するた めに図書館やコンピュータなどを活用する過程で,必要な資料を検索・収集する能力, 分析・選択する能力,検討・吟味する能力,加工・整理する能力などを習得すること ができる。
その三つは,特にコンピュータなどの情報手段の活用を通して,多様な表現方法を 身に付け,調べたことや考えたことを分かりやすく伝える発信能力を育てることがで きることである。例えば,インターネット,電子メールなどの様々な情報手段により, 自ら情報を発信し,国内ばかりでなく,例えば日本人学校など海外の人々ともかかわ りをもつことにより,一人一人の表現力も一層豊かになるものと思われる。
このような学習を実現していくには,学校図書館などの施設の整備を進めていくこ とが大切である。特に学校図書館がもつ読書センターとしての機能に加え,児童の学 習活動を支援する学習・情報センターとしての機能をもつようにしていく必要があ る。