福島県相馬市の市長であり、現役の医師でもある立谷さん
「だから、『夢を決してあきらめるな』、
なんてことは、無責任に言えない。
それよりは、現実をきちんと見る習慣をつけてほしい。
現実を見ないまま、大きくなっちゃいけないと思う。
いま、社会に強い人と弱い人がいるとしたら、
いちばん弱い、力のない人に合わせて、
世の中をつくっていかなきゃいけない。
行政は弱者を救済していかなきゃいけない。
なぜかというと、自分が強い立場にいるか、
弱い立場にいるかというのは、ただの確率だから。
あるとき大病をわずらうだけで立場は変わる。
それは社会が持ってる確率なんです。
つまり、たまたまその人はそこにいる。
誰もが弱者になる可能性がある。
自分は大丈夫でも、子、孫、ひ孫、
いつ立場が変わるかわからない。
だとしたら、つねに、弱い人たちのことを
みんなが自分の問題だと考えないといけない」