協同学習5

「先生のためのアイディアブック」を再読。協同学習の本。
シンプルで使いやすい技をピックアップしてまとめました。やりずらそうなのは、使いこなせそうもないので、来年はあきらめます。
次は、協同学習や振り返り、学びの原則などを意識して、教育実習でやった単元の学習計画をもう一回やってみようと思います。


1、インタビューの輪
チーム団結だけではなく、さまざまな目的で役立つそうです。

①生徒1が生徒2にインタビューをする。同時に生徒3が生徒4をインタビューする

②役割を交代する。生徒が2が生徒1を、生徒4が生徒3をインタビューする。

③インタビューした人は、インタビューでどんなことを知ったかを交代で報告する


2、ホップ・ステップ・クラス
互恵的な関係を促進する。短い時間でできる。例えば、手順①を1分、②を2分、③を2分、合計5分。

①生徒にペアを組ませる。教師が問題を1題だす。少しの間、生徒は各自、自分一人でその問題を考える。(小学1年生の担任のルイーザ・シオンは「生徒に黙って考えさせるように、目を閉じるように言う」そうです)。

②ペアで互いに学んだことについて話し合う。

③教師が無作為に当てる。当てられた生徒は自分のペアで話し合ったことを発表する(自分の考えだけでなく自分のパートナーが言ったことや話し合いの過程で生まれた考えを披露するように指示する必要があるかもしれない)。

バリエーションが豊富。例えば、
①の「考える」の代わりに「書く」。
③の「クラスの分かち合い」に代わるものとしては、ペアが別のペアとグループをつくって分かちあう方法がある。
また、パートナーを変えて新しいペアを創り、新しいパートナーに古いパートナーの考えを伝える方法もある。

理科の事例64項


3、作家の輪

①各生徒は、それぞれ紙を持っている。グループメンバー全員が一斉に書く。

②自分の紙を左の生徒に回し、その生徒はその紙に自分の考えを付け足す。

③どの紙にもメンバー全員が自分の考えを付け足す。

④紙が最初の生徒に戻ってくるまで繰り返す

⑤先生が生徒をあてて、そのグループで自分は何を書き、他のメンバーはどんなことを書いたかを報告させてもよい。

一枚の紙を回すパターンもある。

事例あり68項


4、学習前・学習後
テストの準備などに使える技法。

①新しいユニットやトピックに入る前に、教師は学習するべき重要な点について小テストを準備する。生徒はこの「学習前小テスト」を受ける。グループメンバーは互いの答えを採点する。教師は、複数の生徒が間違った問題に特に注意をしながら、成績を記録する。生徒と教師は小テストで間違った問題に関する情報や解法に印をつける。

②その小テストの後、クラスは同様の小テスト(学習後小テスト)の準備としてそのトピックやユニットを勉強する。学習後の小テストは生徒や教師が作った問題をあわせて作成してもよい。生徒はグループで勉強するが、テストは個々に受ける。

③学習後テストを終了した後、生徒は再びグループ内で互いのテストの採点をする。学習前、学習後の点数を比較する。グループは向上した部分とさらに上達を必要とする部分に印をつける。

④学習後テストでよりよい成績を修めたグループは、チーム歓呼などのお祝いをすることができる。また、他の種類のご褒美を使うことも可能


5、相談ペア
様々な教科で使える。事例あり75項

①教師が問題をだす。生徒は、一人で考える。

②ペアになり、パートナーと答えを共有する。

③ペアは2人で相談して、1人1人が考えた最初の答えよりもベターな答え出せるように努力する

④ペアの2人はどちらもが自分たちの新しい答えとその背景にある考えを説明できなければならない。

⑤教師は任意に生徒を指し、その生徒とパートナーが2人で考えた答えをクラスで分かち合う。


6、お隣に聞こう
話し手として、自分のパートナーと上手にコミュニケーションをとることを必要とする短くて簡単な技法。

①教師がクラス全体に質問を出す。生徒からすぐに答えを聞くのではなく、教師は生徒に「お隣に聞きなさい!」という。生徒はパートナーのほうを向く。各ペアの生徒にそれぞれ生徒1、生徒2の番号をつける。生徒1は教師が出した質問(または自分で考えた質問)を生徒2に聞く。生徒2は、例えば1分間、答えを言う。そして、役割を交代する。

②教師は無作為に生徒を当て、「あなたのお隣は何て言ったの?」と尋ねる。こうすることにより、互いのパートナーが何かを考えるのを助けたり、互いの話をよく聞くのを促したりすることになる。


7、復習ペア
復習だけにしか使えないわけではない。「考えを口に出す」という面はどのような学習の種類にも役立ちます。
事例あり86項

①各4人グループはまず2人ペアになって始める。それぞれのペアは同じ問題や質問の一覧表を持っている。各グループのパートナー1(考える人)は最初の問題または質問を読み上げ、考えを口に出す(自分の思考過程を言葉に表す)。パートナー2(コーチ)はそれを聞いたり、見たり、指導する。指導とは、助言をしたり励ましたり、また質問をしたりすることである。パートナーの間違いを指摘したり、パートナーの代わりに課題をすることではない。

②パートナーは考える人とコーチの役割を交代して2問めを行う。

③2問ごとに4人グループの2つのペアは1つにまとまり、答えを話し合い、同じ意見にまとまるように努める。


7、1・2・3・4

①4人のグループの生徒に、1,2,3,4と番号をつける

②先生は質問を出したり、課題を与えたりする

③グループは知恵を集め、その問題を解いたり、課題を行ったりする。

④先生はある番号を言い、各グループのその番号の生徒がグループの答えや行った作業を説明する。または、番号を呼ばれた生徒が、他のグループに行って説明をします。後者のほうが、子どもの活動率が高い。


8、雪だま転がし
事例あり44項

①各グループメンバーは自分一人で考えた答えは情報をリストアップする。

②ペアになって、互いに自分のリストを説明し合い、2つのリストをまとめた1つのリストを作成する。ダブっているものは1つにする

③ペアとペアが集まり、②と同様に1つにまとめたリストを作る。ダブっているものは1つだけにする。


9、雪だま逆転がし

①各グループメンバーは自分1人で考えた答えや情報をリストアップする。

②ペアになって、互いのリストを説明し合い、両方のリストに載っているか一番よいと思うものだけを載せた新しいリストを作る。

③2つのペアが一緒になってステップ②を繰り返す。


10、クイズでチェック
思考を促す質問にどう答えたらよいかを学んでもらう技法。

①ペアの相手に対して互いに質問を書く。多様な質問があってもよい。復習でもよいし、今学習中の内容でもよい。考えさせるような質問を作らせてみるよい機会になる。次に自分の質問に対する答えを書く。生徒は質問のほうだけを交換して、相手の質問に答える。

②生徒は答えを比べる。比較することは、答えを導く論拠について考えることにもなる。


11、グループプロジェクト

①目標(課題)の具体化・明確化

②チームの編成

③学習の評価基準、スケジュールの作成(教師と学習者とで相談しながら)

④チームごとの学習(調べる、ディスカッションする、まとめる)

⑤学習成果の発表、振り返り