自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読んでまもなくカントの言葉を思い出しました。
「他者を手段のみならず同時に目的として扱え」

自分について深く考える機会になっています。かなり凄い理論だと思います。箱は比喩です。箱に入っているというのは、人をただモノとしてみている状態のことらしいです。相手をあるがままに見ていないから自己欺瞞とも呼ばれる。例えば、上司とか上の人が自分を守るためだけに、部下に関係して管理する場合、上の人は、部下をただ手段としてモノとしてみているというわけです。同じ言葉がけだったり、目には同じ行動に見えても、見えない核心の部分で、相手への影響が変わる。見えない部分で、箱に入ったり、箱の外出れたり変わってくる。箱に入っていると、まったくうまくいかない。


相手がどうであれ、箱に入る原因となるのが、自分への裏切りだと書かれていたと思います。167項から引用
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自分への裏切り
1自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ。
2いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点からみるようになる。
3周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる。
4したがって、人は自分の感情に背いたときに、箱に入る。
5ときが経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格と見なすようになり、それを持ち歩くようになる。
6自分が箱の中にいることによって、他の人たちをも箱の中に入れていまう。
7箱の中にいると、互いに相手をひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与えある。
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言うほどにやっていない上の人に厳しく何か言われると、あなたに言われたくないし「自分のこと棚にあげて」何を言っているんだかと思ったりする自分がたまにいます。それでも、自分の悪いところから、目をそらさないようには努力してきたつもりですが、自己正当化も頻繁に起きていました。「箱」の理論によって、問題に光りがあたり、より明確に自分の問題を自覚できそうです。相手が箱に入っていると、自分まで箱に入ってしまうのが私の問題です。本の例にも、こんな人出てきました。

結論は、相手がどうであれ、相手を人として目的として見て尊重する。そして、自分を決して裏切らない。ソクラテスの話や、ブッダの話にも繋がってきますね。難しいですが、がんばろう!

217項から引用
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箱の中にいるときに、しても無駄なこと
1相手を変えようとすること
2相手と全力で張り合うこと
3その状況から離れること
4コミュニケーションをとろうとすること
5新しいテクニックを使おうとすること
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264項から
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知っておくべきこと
◇自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく。
◇箱の中にいると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。
◇自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかは、すべて箱の外に出ているか否かにかかっている。
◇他の人に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる。

知ったことに即して生きること
◇完璧であろうとするな。よりよくなろうと思え。
◇すでにそのことを知っている人以外には、箱などの言葉を使うな。自分自身の生活に、この原則を活かせ。
◇他の人々の箱を見つけようとするのではなく、自分の箱を探せ。
◇箱の中に入っているといって他人を責めるな。自分自身が箱の外に留まるようにしろ。
◇自分が箱の中にいることがわかっても、あきらめるな。努力を続けろ。
◇自分が箱の中にいた場合、箱の中にいたということを否定するな。謝ったうえで、更に前に進め。これから先、もっと他の人の役に立つように努力しろ。
◇他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ。
◇他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。自分が他の人に力を貸せているかどうかに気をつけろ。
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