- 作者: ウィリアムシェイクスピア,William Shakespeare,福田恒存
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1967/09/27
- メディア: 文庫
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「ハムレット」を再読。
母校では卒業して間もなく入学する一年生に本をプレゼントする伝統があります。誰の本が自分のものとなるかはわかりません。私がいただいた本は「ハムレット」でした。
本の裏表紙には、
二十八期川西文子
「誠実」
と黒ペンで書かれています。
ハムレットの言葉は、詩的で豊かな分、苦悩と皮肉が痛々しく感じました。当時の国のあり方に対する批判もあったのかな。
習慣についての話は解説にありましたモンテーニュの影響なのかなと思いました。皮肉と鋭い人間理解だと思います。
123項から
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妃 おお、ハムレット、お前はこの胸を真二つに裂いてしまった。
ハムレット おお、それなら、その穢いないほうを棄てて、残ったきれいなほうで、清く生きてくださいますよう。では、おやすみ。が、けっして叔父上の部屋へいらしてはなりませぬ。操はなくとも、せめてあるようにおふるまいになることです。習慣という怪物は、どのような悪事にもたちまち人を無感覚にさせてしまうが、半面それは天使の役割もする。始終、良い行いをなさるようお心がけになれば、はじめは慣れぬ措置も、いつかは身についた普段着同様、おいおいお肌に慣れてくるものです。今宵一夜をおつつしみなさい。あすの夜はもっと楽になりましょう。その次にさらにたやすく。こうして習いは性となり、人は、知らぬまに、悪魔にてなずけられもしようし、それを追いだしてしまうことも出来る。
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185項から
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ハムレット それには及ばぬ。前兆などというものを気にかける事はない。一羽の雀が落ちるのも神の摂理。来るべきものは、いま来なくとも、いずれは来る−−いま来れば、あとには来ない−−あとに来なければ、いま来るだけのこと−−肝腎なのは覚悟だ。いつ死んだらいいか、そんなことは考えてみたところで、誰にもわかりますまい。所詮、あなたまかせさ。
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