師弟

池田大作「新人間革命」新世紀二十三

井上靖氏との手紙のやり取りから
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 山本伸一は、さらに、「私の信じるところでは、人間の触れ合いの究極の機軸は、師弟という関係にも求められると思います」と記した。
 「教え」「教わる」という師弟の関係は、人生という営みのすべての場面にあり、友好も、この師弟関係を意識する時、最も理想的な形になるのだ。
 「つまり、お互いに師であると共に弟子であるといった、深い人間関係への洞察をもって人間の触れ合いがなされる時、友好は最も実り豊かなものになるように思うのです」
 ものを教わる時、人への尊敬は増し、ものを教える時、人への愛着は増す。
 伸一は、イデオロギーや政治体制の違いを超えて、人間として触れ合い、互いに学び合い、友情を結び合っていくなかに、激動する世界に平和の火を点ずる道があると確信していた。
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