小説「新・人間革命」[未来]

新人間革命の未来という連載中の章がとても今の自分に合っていてよかったです。創価幼稚園を創立する時代の内容です。初代の園長の話は凄くよかったですし、未来36から未来40までの内容も凄くよかった。読んでみれば当たり前の内容に思えるけど、凄く大事なことが書いてあると思いました。自分の言葉について考えさせられた。幼稚園児だって、小学生だって、一人の人格として尊重すること大事だと思いました。敬称(呼ばれたい名前でもいいと思う)をつけて、真剣に話したほうがたぶん伝わるし、人間関係にもいいと思う。昨日は始業式で自分の子どもとの関わり方を意識してみました。


徹底的に内発的な教育を幼稚園の時期からしているのが、ちょっと意外でした。でもよく考えたらコーチングの子どもの教育の本などを読むと幼稚園児くらいの子にした、未来に焦点をあてた質問のなどの声かけの話がのっています。内発的な教育をするのに、年齢はあまり関係ないのかもしれないです。指導をするとなると、年齢、発達段階は大事だろうけど。


「幼稚園のモットーである、『つよく、ただしく、のびのびと』を実現していくために、子どもたいのもっている無限の可能性を尊重し、自主性、主体性を引き出す教育をめざし、研究していった。
 それには、まず、人間生活の基本となる正しい習慣を、幼児期に、身につけさせることが大事になる。そこで、『自分のことは自分でしましょう』『お友だちと仲よくしましょう』『明るく元気にあいさつをしましょう』という、伸一との『三つの約束』が身につくように、教員たちは奮闘していった。
 基本と教え込むには、忍耐強さが求められる。地味で目立たぬ労作業である。しかし、そこから、すべては開花していのだ。」未来三十六から抜粋


「子どもは、自分のことは、自分でできるようになりたいと思っている。
 入園当初、多くの園児が歓声をあげている時に、泣き出す子どもがいた。
 札幌創価幼稚園の教員たちは、それは、集団生活の第一歩を踏み出そうとする子どもの、自己主張の声であると、とらえた。
『なんで泣いてるの?」
 教員が聞いても、すぐに答えは返ってこない。なだめながら、根気強く、笑顔で尋ねる。
『泣かずに言ってごらん』
 ようやく訳を話し始める。
 ――『靴が脱げないよう」「ボタンがとめられないよ」など、理由はさまざまだ。
『大丈夫だよ。ゆっくりやってごらん』
 時間がはかかっても、やり方を教えるだけで、代わりにやることはしない。
『頑張ろうね。もう少しだよ』
 問われるのは、教員の粘り強さである。教育は、根比べでもある。”だめだ!”と、投げ出すことは、教員の敗北を意味する。
 人を育てることは、自分を磨き、自分を育てていくことでもある。
 できた時の、園児の顔は誇らかだ。自分のもっている可能性に気づき、その力を引き出した、喜びの表情だ。この達成感が、強さにつながっていくのである。
 また、子どもは、お友だちと仲よくしようとすることで、人を思いやる心を育む。
 左手足に障がいがある女の子がいた。負けず嫌いの性格で、みんなと一緒に、縄跳びにも挑戦した。しかし、うまくいかない。最初は、その様子を見て、笑う子どももいた。
 すると、それでは、モットーの「ただしく」や、三つの約束の「お友だちと仲よく」とは違うという声が、子どもたちからあがった。
 また、教員は、”自分が、その子の立場だったら、どう感じるか”を訴えた。
 やがて、皆が、彼女を応援するようになった。頑張る姿を、すごいと思うようになっていったのである。そして、”難しい縄跳び”ができると、拍手が起こるようになった。」未来三十七


 友だちと仲よくしようとするなかで、子どもたちは、社会感覚を培っていく。
 園児は、みんなで遊ぶようになると、遊具の奪い合いが始まる。しかし、教員たちは、すぐには止めない。トラブルは、子どもたちが成長していくチャンスだからだ。話し合いをさせるのである。
 園児たちは、どうすれば、少ない遊具で、みんなが遊べるかを考える。そして、順番で使おうということになる。ルールづくりが始まるのだ。
 教員は、園児の意見を整理しながら、そこに至るまで、忍耐強く待つ――。
 ある時、園児がイスを並べ、バスごっこを始めた。二人の園児が、運転手をやると言ってきかず、互いに泣きだしてしまった。
 しばらくすると、泣いていた子どもの一人が、近くにあったイスを運んで来て、前に並べた。運転席が二つになった。
「じゃあ、二人運転手ね」
 こう言って、仲よく遊び始めた。
 それ以来、二人は、大の仲よしになった。
 子どもの考えは、柔軟である。問題解決の力をもっている。それをいかに引き出していくかが教育である。
 札幌創価幼稚園で、最も力を入れてきたのが、山本伸一との『三つの約束』にもある、あいさつ励行であった。
『言葉は人間を近づけて親しくさせる』
とは、文豪トルストイの洞察だ。あいさつは、社会生活の第一歩となる。
 朝、園児たちは、通園バスから降りると、並んで、大きな声で、『せんせい、おはようございます!みなさん、おはようございます!』とあいさつをする。
 入園当初は、うまくできなかった園児たちも、続けるうちに、われ先に並び、目を輝かせて、あいさつをするようになる。
 さらに、それが自信となり、近所のおじさんやおばさん、街ですれ違った人にも、元気にあいさつをするようになっていった。
 自信は、積極性の原動力なる。」未来三十八


「『創価幼稚園では、『やめなさい』『だめでしょ!』など、命令口調で、上からものを言われる感じで叱られた記憶ありません。
 いたずらをした時も、先生方がしゃがみ、子どもと同じ目線で視線を合わせ、手を握って、『なぜ、こういうことをしたの?』と聞いてくれました。
 子ども心にも、園児の人格を尊重し、話し合うなかで、物事を解決していこうという先生の姿勢が感じられました。
 また、何よりも、子どもに体当たりしてくるような情熱を感じていました。だから、幼稚園が、大好きになっていました。
 そして、大きくなったら、この幼稚園の先生になりたいと思ったんです』
 創価幼稚園の教員になった卒業生は、皆、幼稚園の時に、教員の優しさや心遣い、さらに、一生懸命さに感動したことを、進路決定の理由としてあげている。
 『教師となる者の最も重要な資質は、熱心であるということである』とは、アメリカの哲学者デューイの言葉である。」未来三十九より抜粋







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まだ未来三十六までしかアップされていないけど、新人間革命が読めるページです。