人間教育

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人間教育 27







教育部の有志たちは、混迷する教育界に




あって、未来建設の曙光(しょこう)を注(そそ)




ごうと、人間教育の研究に力を注いだ。




牧口常三郎創価教育学説や、戸田城聖




の教育実践、教育に関する山本伸一の提言




などを学び、意見交換を重ねた。




メンバーの胸には、“新しい教育理念を構築




し、創価人間主義を、広く社会に発信して




いかねばならない”との、使命の炎が燃え盛




(さか)っていた。




そのなかで、戸田城聖の生誕七十四年に当




たる一九七四年(昭和四十九年)二月十一日、




「人間教育研究会」が設立されたのである。




同研究会は、十一月、東京・小平市創価




学園講堂で第一回人間教育研究発表会を




開催した。




「推理式指導算術の現代数学への応用」




「造形感覚をのばし個性豊かな表現力を高め











る試(こころ)み」 「幼稚園における五歳児の指




導」 「事例研究・自閉症とみまちがえられる子」




のテーマで、専門的に研究・実践を重ねてきた




メンバーが、その成果を発表した。




研究室などにこもっての、机上(きじょう)の研究




ではなかった。教育現場で、汗まみれになりな




がら、自ら実践を重ね、研究してきた、成果の




発表であった。




「自ら研究する人だけが、本質的に教えること




が出来るのです」(注)とは、ドイツの哲学者




ヤスパースの至言である。




この研究発表会には、牧口常三郎の思想研




究を続けてきた、アメリカのディル・ベセル博士




も招かれて出席した。




博士は、人間教育の具体的な実践を展開し




ている「人間教育研究会」の活動に、賞讃




(しょうさん)を惜しまなかった。そして、「教育




とは、教師も児童・生徒も、一個の人間として、




自己のもつ力、知恵を最大限に発揮、開発し、




共に社会に貢献していこうとする尊い共同作




業である」と述べ、教師自身の人間革命をめ




ざす創価の人間教育に、大いなる期待を寄せ




た。




さらに、東京教育大学唐沢富太郎(からさわ




とみたろう)教授が、「現代教育における人間




像の考察」と題して講演したのである。







(注) ヤスパース著『大学の理念』

    福井一光訳、理想社







    =2011年3月18日・聖教新聞

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