人間教育

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人間教育 二十八







教育を蘇生させるには、もちろん制度的な




問題の解決も重要である。しかし、一切の




根本となるのは、教育の実質的な主体者




であり、推進者である、教師自身の人間的




成長を図(はか)っていくことである。




学校教育では、教師こそが子どもたちの




最大の教育環境であり、教師と子どもの、




生命と生命の触れ合い、啓発にこそ、教育




の原点があるからだ。




また、制度的な問題が、どこにあるかを、い




ちばん実感しているのも、教育現場で懸命




に汗を流す教師である。教師は、制度改革




を進めるうえでも、最も大きな力となろう。




ゆえに、教師自身の人生観、教育観、人間




観の確立をはじめ、自己変革が、教育改革




の極めて重要なカギとなる。




そこで、教育部のメンバーは、人間教育運動









を本格的に推進していくために、教育目的を教




育者自(みずか)らがつくることから着手し、「人




間教育運動綱領(こうりょう)」の発表をめざして




いった。メンバーは、まず、大前提となる“次代




を担う人間像”を探求することから始めた。




将来、子どもたちが幸福になり、よりよい社会




を築いていくには、どういう人間が求められる




のか―― 何度となく意見交換し、あらゆる角




度から検討を重ねるなかで、めざすべき人間




像がまとめられた。




一、生きること自体に喜びを感じて生活できる




   人間。




二、他人や自然と共栄(きょうえい)できる人間。




三、自己と環境を常に切り開いていける人間。




牧口常三郎は、教育の目的を、豊かな価値創




造をなし得(う)る主体性の形成に置いた。




つまり、幸福な人生を生き抜くことができる人




間づくりである。その幸福とは、自分さえ幸せ




であれば、他のことはどうでもよいといった利




己的なものではなく、他者との共存という社会




的な概念を含んでいる。




メンバーは、その観点から、何回となく議論し、




子どもたちの“未来の人間像”の骨格をまとめ




上げていったのである。

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