人間教育


http://ameblo.jp/yuramao/entry-10836732149.html

============================================


人間教育 二十九







教育部のメンバーは、三項目にわたる人間




形成の目標が定まると、その目標を実現す




るための、教育者の実践原則の検討に入った。




やがて、それも、まとまっていった。




一、 生命の尊厳を基本原則とした教育であ




    ること。




二、 人間の多様な可能性に対する信頼を基




    本とすること。




三、 教育者と被教育者との関係性を重視し、




    人格相互の触発に務めること。




四、 絶えざる価値創造と自己変革の人生を




    全(まっと)うすることを、共通目的にす




    ること。




五、 被教育者の能力を的確につかみとって、




    適切な指導ができる教育者をめざすこと。




こうした検討のなかで、人間教育運動の基本




的立脚点についても、話し合われた。









そして、あらゆる教育的営為において、人間生




命を手段化せず、相対化することなく、人間生




命に絶対的価値を認めるべきであることも、合




意された。




また、かつての国家主義的教育のように、人間




や教育を組織的・政治的目的の手段とせず、




教育は、あくまでも人間それ自体のために、行わ




れるべきであることも確認された。




さらに、地球上の諸民族は、運命共同体であり、




人間共通の「生命尊厳」の自覚に立って、世界




平和の実現をめざすことでも、意見の一致をみ




たのである。




熱意は創造の母である。教育部員たちの、子ど




も幸福を願う情熱が、新しい教育理念を形づくろ




うとしていたのだ。










創価学会は、一九七五年(昭和五十年)を「教育・




家庭の年」と名づけた。




その冒頭を飾って、一月の七日、第九回教育部




総会が東京・立川市市民会館で晴れやかに開




催された。その席上、メンバーが取り組み、積み




上げてきた、「人間教育運動綱領(こうりょう)」




(第一次草案)が発表されたのである。




それは、目標を失った社会の暗夜に、人間教育




の、鮮烈な光を投げかけたのである。







   =2011年3月21日・聖教新聞


==============================================