デュルケム

道徳教育論 (講談社学術文庫)

道徳教育論 (講談社学術文庫)

デュルケムの道徳教育論


道徳は規則と権威からなる。
規則は禁止と命令の体系だと。
デュルケムは、
その規則の積極的な価値について論じている。


制限や規則の上にしか自由は存在しないということもデュルケムは指摘している。

選択(自由)を授業の核とするアトウェルの学校にもビルオブライトといって、規則のようなものがあったと思う。


結局、どちらかじゃないんですよね、どちらも大事で。
デュルケムも読みごたえがあって、おもしろい。


今から100年前くらいの講義。
フーコーの講義もよかったですが、デュルケムの講義も素晴らしいと思います。
こういう読み応えのある本は心の癒しです。



カント的な道徳論を否定しつつも、
知るというのは感性+悟性なんだという
カント的な認識論の出発点に徹するデュルケム。


この作品は有名な『自殺論』の後の講義みたい。
結婚している人よりも独身に自殺が多いなどの事例が書いてあった。


アノミーってやつですね。
だから道徳がない、規則から外れて、非社会的になればなるほど、デュルケムの調査によると自殺が多くなっているらしい。