読書感想文のマニュアルを与えることについて

読書感想文マニュアル、あり?なし? 配布する小学校も:朝日新聞デジタル


ナンシー・アトウェルはこういうマニュアルをはじめから与えることに反対していました。もしアトウェルが読書感想文を一つのジャンルとして教えることが仮にあるとすれば、他のジャンルの授業と同じように複数の読書感想文を読み比べ、優れた読書感想文の特徴を抽出するところからやると思います。でも、それ以前に読書感想文を学校の学習材料として採用していない(そういうものがアメリカにあるのか知らないけど)。代わりにあるのは、レターエッセイやブックレビュー。
「教育者の基本的責任は、年少者たちが周囲の条件によって、彼らの現実の経験が形成されるという一般的な原理を知るだけでなく、さらにどのような環境が成長に導くような経験をするうえで役立つかについて、具体的に認識することである。何よりも先ず、教育者は、価値ある経験の形成に寄与するにちがいないすべてものが引き出せるようにと存在している環境−自然的な、社会的な−をどのように利用すべきであるか、そのことを知らなければならない」デューイ『経験と教育』57項
よく読み返す言葉にこういうデューイの言葉があって、
別に読書感想文でなくてもいいのですが、僕にとっての日本の読書感想文の蓄積は、この「価値ある経験の形成に寄与するにちがいないすべてものが引き出せるようにと存在している環境−自然的な、社会的な−」の一部です。