- 作者: 立木 康介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/05/24
- メディア: 新書
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だが、フロイトのこのような自覚のうちには、さらに一歩踏み込んで、心的活動について世人の反発を招くような発見を行いうる学問は精神分析においてほかにないという自負も含まれているはずだ。ひとり精神分析のみが、「心」と呼ばれるものについて、世間が受け入れることのできない事実や、人々が目を背けたくなるような真実を明らかにすることができるーーそれが、フロイトにとっての精神分析なのだ。このことはきわめて重大な意味をもつ。というのも、それを裏返すなら、人々のあいだに強くて抵抗や敵意を引き起こさない知はもやは精神分析ではないかもしれない、ということになるからだ。
p5
序説で一番心に残っているところ。
ブッダもキリスト、ソクラテスもカントも境界の人だと思うけれど、まさにフロイトもそうなのかもしれない。
大学生の時に最も大きな影響を受けた人のひとりがフロイト。
柄谷行人の本でフロイトを扱っていて、興味をもって読んだのですが、
自分の心が根底から刷新されるような強烈な経験でした。超自我など扱った論文でした。
知らないほうがよかったかもしれない真実を知ってしまったのです…。本当にあったこわい話。
- 作者: 斎藤正二
- 出版社/メーカー: 八坂書房
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 単行本
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あるいは、一般的にいって、ものごとの正しい観察とか判断とかは、変わり者か、依怙地人間(臍曲がり、あまのじゃく、嫌われもの、非常識野郎、はみだし、はぐれもの、などなど、呼び方はいろいろあるが)か、大多数の者からみて反対的思考をする人間か、さもなければ社会のフロンティア(境界地域)にいる人間か、そういったひとたちでなければ持ち得ないのではないか。若き牧口常三郎がすでに十歳台の時分からそちらのほうの人間だった、ということに、疑問の余地はない。
フロイトは、自分の夢を分析しようとか、間違いなく変わり者だと思う。それにどこに書いてあったのか忘れてしまったのですが、実験の方法を退けたというのも興味深かった。