ファンタジーの文法

ジャンニ・ロダーリの「ファンタジーの文法」と「幼児のためのお話のつくり方」を読みました。
ここでファンタジーとは、想像力の意味。では、想像力を働かせるのは、どうしたらいいのかという話。方法としては、「ファンタジーの二項式」を紹介しています。著者は、物語が「ファンタジーの二項式」によってのみ誕生しうると述べています。

火花を散らすには二つの電極が必要であるように、あることばが【生きて行動する】には、まったく無関係な別のことばと出会うことが必要であると、ロダーリは言います。

例えば名詞と名詞の組み合わせ

【犬】と【たんす】
①たんすを背負った犬
②犬のたんす
③たんすの上にいる犬
④たんすの中にいる犬
⑤その他

これらの姿は、それぞれ、ファンタスティックな場面の骨組みを与えます。

例えば、
こんな冒頭ではじめたりする。
「ポリフェーモが帰宅して、部屋着を出そうとたんすを開けると、犬がいた。」

【牛】と【虹】
①虹を食べる牛
②虹の牛
③その他

【木】と【猫】
①猫のなる木
②猫の木
③その他

【木】と【人】で「ピノキオ」とか
【アンパン】と【人】で「アンパンマン」とかありますね。

他には
「もし、〜なら、どうなるだろう」と考える方法で、「もし、AがBなら」という仮定の公式があります。

AとBに入れるのは、
単語と単語でもいいし、
主語と述語でもいいし、
修飾と主語でも、句と句でも、文と文でもいい。文章と文章でもいい。

例えば、
仮に主語を【レッジョ・エミリーア】、述語を【飛翔する】にすると、
もしレッジョ・エミリーアの町が空を飛びはじめたらどうなるだろう?ということになります。

主語を【ミラノ】、述語を【海にとりかこまれた】とすれば、
もし、とつぜんミラノが海にとりかこまれたとしたら、どうなるだろう?ということになります。

うめずかずおの「漂流教室」とか、このパターンですよね。

もし、とつぜん学校が海にとりかこまれたとしたら、どうなるだろう?

世界中から、北極から南極まで、時々刻々、お金が消えたら、どうなるだろう?