人形の家

表紙が渋すぎて、子どもが手にとってくれなさそうですが、
中身はとても深くておもしろかったです。人形って、徹底的に受けみなのかと思えば、このお話では、人形同士ならしゃべることもできれば、願うこともできます。人形が人形に向って、あなたは人形ではない、ものだと言ったりおもしろいです。「わたしたち、願わなければいけないわ。一刻も願いをやめてはいけないわ。」と強く願い続ける人形が印象的でした。やはり祈って願って最善を尽くしてまた祈って願うことが大切だと僕は思います。願いは通じると信じています。


「『でもどうしたらいいんだろう?ぼくたちに何ができるだろう?』
『願うことができるわ』トチーはやはりきっぱりといいました。』」55項


「『願って!願って!願うのよ!』とトチーはいいました。するとトチーのからだのふしというふし、木目という木目がかたくなってくるように思えました。トチーは木でできていましたから。
『どうしたらいいんだろう? ぼくたちに何ができるんだろう?』とプランタガネットさんがいいました。
『泣言をいわないで。願って!』トチーはきびしくいいました。その声音のきびしいせいで、その言葉はいっそうりんと、きびしくきこえて、プランタガネットさんまでが気をとりなおし、みんなはおねがいを始めました。」56項