読書 八木重吉

八木重吉 (日本の詩)

八木重吉 (日本の詩)

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「おもたい かなしみ」


おもたい かなしみが さえわたるとき
さやかにも かなしみは ちから


みよ かなしみの つらぬくちから
かなしみは よろこびを
怒り なげきをも つらぬいて もえさかる


かなしみこそ
すみわたる すだまとも 生くるか


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キーツこれだけでも解しうる――このことだけでも自分は生きていることを感謝せねばならぬ。「絶対の生活」――相対を超えたる生活。自分よ!自分も生き甲斐のあることを悟れ。むやみにくじけるのはいけない。greedyであつてはならぬ。greedyなものはこの世界を与へられてもなほ不満であらう。相対的の「大」を求うるとき遂にはてしがない。「時」のごとく「数」のごとく無限である絶対の「大」を求むるとき、心の王国はもつと近きところにある。「ジョン・キーツ覚書其の他」より

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「『感謝』の無い生活、向上の無い生活は死である。『向上』そのものが強味だ」

「自らを鍛ふるは今日に在る。人生は『今日』の連続だ」

「希望のつばさ、理想のつばさへ乗って勇ましくかけりなさい。渾心のちからをふるいおこして」


「ゆきなさい。すすみなさい。ただただ、どんなとき、どんなことがあらう共、その純な眸のかがやきを失わぬ様にしてくれ」『八木重吉全集』から