読む 魂の人間賛歌  

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ハンコック
 私には、父との忘れられない思い出があります。
 私が十六歳の時、ある食料品店のレジ係の仕事に就きました。仕事を始めて二日目、店長が、私を奥のほうに連れていき、お客の支払う代金をごまかしてレジに打ち込む方法を教え、お客から少しずつお金を多くとれと言ったのです。私は悩みました。
 その夜、家に帰って、父に相談しました。不正をしないと、私は解雇されてしまうが、やりたくない――
 父は語りました。
「息子よ。これはお前が自分自身で出すべき決断だよ」
 父は私を信頼し、私が正しい判断をすると信じていたのです。
 私は言いました。「分かった。この仕事を辞めることにする」
 すると、父と母は、「ハービー、お前を本当に誇りに思うよ」と、私を抱きしめてくれました。

池田
 見事な人間教育ですね。ハンコックさんのお父様は、息子を信じ、あえて自分で考えさせて決断するように促がされました。
 若く清き魂は、信じられた時、その期待を敏感に感じ取るものです。ハンコックさんは、お父さんから、不正に対して勇気を持って立ち向かうことを教わったのですね。

ハンコック
 その通りです。
 もし、父が、即座に「お前は、明日、その仕事を辞めなさい」と言っていたら、私は何も学ぶことはできなったでしょう。
 自分で学ばせる教え方は、私が音楽の師と仰いだ名ジャズ・トランペッターのマイルス・デイビスがしていたことでもあります。マイルスは、決して答えを教えませんでした。彼は、私たち自身で答えを見出すための道を示すようにしたのです。
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池田 
 牧口先生は、「すべての子どもに『幸福になる力』を身につけさせる」ことを教育の目的としていました。それは、子どもを一個の人格として尊重し、その可能性を信じぬく戦いを伴います。先生は、「自らなすことによって学ぶことのできる」ように指導することを強調されたのです。
=======================================今日の聖教新聞から


前の職場S小学校の研究とも重なるし、岩瀬先生とちょんせいこさんの本の教師像とも重なる。ルソーやペスタロッチの教育思想とも重なると思う。うまくいかない部分もあったけれどある程度チャレンジはしてきたと思う。次はどれくらいできるだろうか。前よりもよくできるようになろう。それにしてもマイルスデイビスやハービーハンコックのお父さんと同じ教育を志向しているのは面白いです。この方向は間違いないんだと思います。不易。

 

新人間革命「未来」同じようなエピソードがあります。
http://d.hatena.ne.jp/Teruhisa/20100109/1263001541