読書の価値のインストラクション①

以下の文章は高校生向けの本で「青春対話」という本がもとになっていて、それを若干アレンジしたものを管理職の先生に修正してもらったものです。「万能飛行機」という表現が「どこでもドア」になるなど、より小学生の子たちに分かりやすくなったと思います。一学期に1回くらいのペースで本の価値について語ろうと思っています。これはいつも一番はじめに話すこと。マジックツリーハウスがよく読まれているのもあり「本を読む楽しさ」を知ることができたら、タイムマシンやどこでもドアを手に入れたようなものですというところは3年生の子どもたちにも分かりやすかったようです。

鍛(きた)えるなど()の中はワードではルビになっています。このあとにさらに改善してほどんどの漢字にルビをふりました。しかし学校のパソコンなので取り出せないという…。家でやるべきだったとルビをふりながら思いました。



「想像力(想いえがく力)は、創造力(創りだす力)です。」この部分も熟語を()の中で言い換えて分かりやすくなったと思います。前に進めました。



★「読む楽しさ」を知るのは人生の宝物
3−2のみなさんに、少しずつ本を読むことの大切さについてお話します。
今日は、こんな質問に対する答えです。

質問 私は、本を読むおもしろさがわかりません。どこがおもしろいのでしょうか?

「本を読む楽しさ」を知ることができたら、タイムマシンやどこでもドアを手に入れたようなものです。本は、どんな時代の、どんな国だって連れていってくれます。五千年前のピラミッドの王国だって、信長や秀吉がいた戦国時代にだって行けます。時をこえ、空をこえ、どこへでも行けます。いや、「その時代に、そこにいた人だって知らない」ようなことまで知ることができます。

「本を読む楽しさ」を知らないということは、人生の大きな損(そん)です。こんな不幸なことはありません。
いっぱいの宝物にかこまれていながら、その価値を知らないために、貧しい暮らしをしている人のようです。

自分の経験だけだと「1人分の人生」ですが、本を読むことで、かぞえきれない多くの人の経験や知識や、ドラマを学ぶことができます。
一生の「心の友だち」もできます。もう死んでしまった大偉人(だいいじん)や大文豪(だいぶんごう)と「会話」もできます。
「本の発明」は、人類の歴史(れきし)の中で、最大の発明の一つです。
この発明品の「使い方」「楽しみ方」を覚えたら、もう人生の最大の武器を手に入れたようなものです。
本は知識をくれます。
本は感動をくれます。
本は勇気をくれます。
本は思いやりをくれます。
本を読む習慣さえ身につけておけば、その人の道に「希望」が消えることはないのです。

テレビやマンガは、はじめから映像や絵がある。だから、みんなが自分で努力しなくても、そのままイメージができます。
だけど、本は字だけです。もう見ているだけで眠くなったり、息苦しくなっちゃうという人もいます。
でも、少し慣れてくれば、文字の一つ一つが、生きもののように、姿を変えます。黒い文字が、緑の樹々になり、赤や黄の花壇になり、青い海にもなります。
音だって聞こえてきます。生まれたばかりの赤ちゃんの感動的な産声も、悪と戦う勇者の叫び声も、ベートーヴェンの名曲の調べも。
それが本です。「想像力(そうぞうりょく)」の力です。「文字を読む」ことによって、「想像力」が、どんどん鍛(きた)えられていくのです。

人間が人間らしく生きるために、何が大切か。私は、「想像力が絶対(ぜったい)に大切だ」と思います。コンピューターだって、「こんなものがほしい!」と思った人の頭と心の中から生まれたのです。テレビも、マンガも、想像力から生まれました。「希望」も「思いやり」も、想像力から生まれます。想像力こそが、人間を進歩させてきました。想像力(そうぞうりょく)(想(おも)いえがく力)は、創造力(そうぞうりょく)(創(つく)りだす力)です。

別に、机に向かって読むだけが「読書」ではありません。ちょっとした時間に読んだものが、案外(あんがい)、心に残っているものです。
だから、まず「いつも本をもち歩く」ことでしょう。ポケットやカバンに入れるとか、肌身(はだみ)離(はな)さない。読まなくてもいいからとにかくもっています。



ともかく、みなさんは若いのです。頭と心の柔(やわ)らかな今こそ、思うぞんぶんに、本を読んでもらいたいです。
本の世界は「第2の宇宙」です。その広大な世界を、自由自在に旅行できる人になってください!