- 作者: 池田大作
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- 発売日: 2006/02/01
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歴史を学ぶは何のため
学は光
「三千年の歴史から
学ぶことを知らぬものは
知ることもなく、やみの中にいよ、
その日その日を生きるとも」『ゲーテ格言集』高橋健二訳編、新潮文庫
学ぶ姿勢なき人生とは、目的観もなく、波の間に間に、その日暮らしを続ける、木の葉のようにはかないものであります。むしろ諸君の人生は、どんな風雨が襲いかかろうともびくともせぬ、大樹のごとき、根を張った生き方であっていただきたい。
歴史を学ぶ意味
物事を大きく見られるようになるということです。
たとえば、道を歩く時も、下ばっかり見ていたら、かえって道に迷ってしまう。大きな印になるものを見つめて、それを目あてに進めば正しい方向に行ける。また山の上から広々と見わたせば、行くべき道がわかってくる。
人生も、それを同じで、小さいところから、物事を見て、小さいことにとらわれていると、悩みの沼に足をとられて、前へ進めなくなってしまう。
克服できる問題さえ克服できなくなる。大きいところから物事を見ていけば、いろいろな問題も、おのずと解決の道が見えてくるものです。これは個人の人生でもそうだし、社会と世界の未来を考えるうえでも同じです。
悩みがあるほど歴史を読もう!
歴史を学ぶことは、自分が、その時代を生きることになる。そこには熱血の革命児もいれば、裏切りの卑劣漢もいる。栄華の権力者もいれば悲劇の英雄もいる。安穏を求めながら、流浪しなければならなかった民衆もいる。戦乱と、その合間の、わずかな木もれ日のような平和がある。
今から見れば迷信にしか見えないことのために、大勢が命を奪いあったり、また、人間愛のために自分を犠牲にしていった正義の人もいる。極限の苦悩から立ち上がって、不可能を可能にした偉人たちもいる。
そういう歴史の絵巻を、距離感をもって見ることもできるし、その真っ只中に入ってみることもできる。歴史は、人間の心の映像です。わが心に、歴史のドラマの映像を映していくのです。
そこから、自然のうちに、大きな目で、ものごとを見られる自分になっていく。滔々たる歴史の大河の最先端にいる自分というものを考えるようになる。
自分はどこから来たのか、どこにいるのか、どこへ行くのか。
歴史は現在の自分の「ルーツ」――根っこでもある。歴史を深く学んだ人は、自分の根っこを認識し、自覚できる。「歴史を知る」ことは、結局、汝自身を知る−−「自分自身を知る」ことに通じるのです。
また自分自身を知り、人間自身を深く知るほど、歴史の実像が、ありありと見えてくるのです。
それが「史観(歴史観)」であり「史眼(歴史を観る眼)」です。」
歴史は「鏡」=未来への道しるべ
歴史は、言うなれば、人類の傾向性、因果性、科学性です。「人類の統計学」とも言える。
たとえば、天気は完全に予測することはできないが、統計的にとらえて傾向性を見ることができる。人間の心も、よくわからないが、歴史を追っていくことによって傾向性を見ることができるのです。
だから「歴史」の研究は、「人間」の研究と言ってよい。とくに、全員が歴史家になるわけではないのだから、大切なのは、歴史を「鏡」として、未来をどうつくっていくかということです。諸君が、新しい歴史をつくるのです。「鏡」がないと、自分の顔も姿もよくわからない。「鏡」があればこうすればいいとわかります。
日本では古来、歴史書を「鏡」と呼んできた。「大鏡」とか「今鏡」「水鏡」「増鏡」と。
今、残っている歴史全体を、個人で把握することは、なかなかできない。だから大事なのは、歴史観をしっかり身につけることです。
歴史を通して、人間の悪い傾向性を知れば、気をつけて、悪い歴史を繰り返さずにすむ。悪い歴史を繰り返すのは、「歴史の教訓に学ばなかったから」とも言える。
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一部抜粋(ちょっと変わっているかもですが、どこを省略したり変えたりしたか忘れてしまいました。でもだいたい同じだと思います)歴史について書かれてところは本当に凄いです(そこに限らないですが…)。大学で歴史学の古典と呼ばれる本を何冊か読みました。どれも素晴らしい本でした。
- 作者: E.H.カー,E.H. Carr,清水幾太郎
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- 作者: マルク・ブロック,松村剛
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- 作者: リュシアンフェーヴル,Lucien Febvre,長谷川輝夫
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僕が驚いたの次のことです。はじめて青春対話を読んだのは高校生の時でした(そういえばこれを読む以前は学校の歴史が心の底から嫌でした。横山光輝の三国志くらいしか好んでは読んでいませんでした)。そのときにはなんとなく読みました。高校を卒業してもう一度読み直して歴史を学ぶことは大切だと思い直しよりいっそう歴史を学ぶようになりました。その後、大学で特に歴史学とはどういうものか、歴史を学ぶのはどういうことなのかといった問題の古典を読んだ後に、この青春対話を読むと、その古典に書いてあったなぜ歴史を学ぶのかといった視点とか考え方の大切なところが全部入っていた(これは自分の判断で全部というのは誤っているかも)ことに驚愕しました。こういった古典に書かれている本当に大切なことを中学生や高校生でも読んでわかるように平易に語っているのだからとんでもなくすごいことです。明確に推測できることは、著者はこれらの本など歴史学のあらゆる古典をほとんど読まれているだろうということです。
後半の後半は特定の宗教に集中した話になりますが(それも読むのもとてもいいことだと思います)偏見をもたないで、いろいろな人に読んでもらえると助けになるのではないかと僕はおすすめしたいです。
それで池田先生が最近創価学会の小学生と中学生向けの新聞(機関紙)がリニューアルして、その中でまた青春対話のような連載をしてくださるということでとても楽しみしているところです。「青春対話」からかなり年月が経っているのでそれも楽しみです。「青春対話」で育った世代よりも前は違う本を読んでいたそうです。タイトルは忘れてしまいましたが…。だからこういったテーマの新しい連載は3回目になるのだと思います(でも20代から少年雑誌で原稿を書いたいたのでした。あの素晴らしいペスタロッチについて書いた文章など)。新しい世代のためにそれまでの本を引継ぎつつ今まで以上に素晴らしいものになるのではないかワクワクしています。
牧口先生の本もそうですが、
創価学会の人だけが読むだけでは、
あまりにももったいない本なので
書きたいことを書いてすっきりました。
他に例えばモスクワ大学の学長との対談集(学長は数学が専門です)とかめちゃ面白いですよ。
- 作者: 池田 大作
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ゴルバチョフ対談
- 作者: 池田大作,ミハイル・ゴルバチョフ
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