Tさん

===================================================
「七転び八起き」のもともとの意味
今日、「日本では分かりやすい言葉は、すぐにまったく逆の意味になる」と書きましたが、
二年ぐらい前かなぁ、「七転び八起き」について、ここに書いたんですよね。
今の日本では、「七回転んでも、負けるな!何度転んでも、起きなさい!」という、なんか、精神論になっちゃってるんですよね。
もともと「七転び八起き」の初出は、
明治の文豪、坪内逍遥です。
言文一致体を唱えた人ですね。
彼は、
東京帝国大学政治学科を卒業して、
将来は、軍のエラいさん、政府のエリートになる道を進んでいたのですが、
富国強兵、軍国主義へと進む、日本の未来に対して抗議の意味から、
シェークスピアなどの海外文学の翻訳、小説家になりました。
小説家は、当時、売文屋といわれ、差別される職業でした。
そして貧しい、売春をしていた女性と結婚しました。
その彼が、自分の人生をテーマにした小説「当世書生気質」で、
世間では、
「勝て勝て!男子として生まれたら、世界に冠たる日本の、軍人となれ!負けるな、弱音を吐くな」という教育、風潮だけども、
人生なんて、いろんなことがある。負けることもあり、勝つこともある。
最後の最後に振替って、まあ、ええことが、少しだけ多いぐらいが、1番いい。
負けるな、勝てなどという風潮に従うな、
という意味で、
「七転び八起き」を使ったんです。
そんな行き方は、当然、政府からにらまれることになります。
これが、「七転び八起き」のもともとの意味なんです。
むりして、立ち上がらなくてもいいよ、人生、長いし、
ちょっと、プラスぐらいでいいんだよ、という意味なんです。
==========================================================
後学のためにメモ。