実践と科学

斎藤正二は、ウェーバーが歴史的に科学は実践から生まれたという内容を書いている文章を引用していました。これってすごく大事だと思いました。実践は科学よりも前にある。よく考えてみれば、コルブの体験学習サイクル。それに限らず人が行動して考えた時の、試行錯誤する時の思考法に着目すれば、それは科学的思考のアナロジーになっている。



「(最も大事なものは何だろうというヴィルヘルムの問いに対し)それを言うのは簡単だ。考えて行うこと、行って考えること、これがあらゆる知恵の結論だ、昔から知られ、昔から実践されてきたが、誰でも理解できたわけじゃない。(中略)人間悟性の守護神は生まれてくるものすべての耳に『行いを思考によって、思考を行いによって吟味せよ』と囁きかけるが、これを原則とする人は迷うことがないし、たとえ迷ったとしてもすぐに正道に戻ることができるものだ。」『ヴィルヘルム・マイスター遍歴時代』第2巻9章、ゲーテ