とても面白かったです。
ぼくもかなり読んできたと思うけれど、著者にはかないません。
創価学会論って、どれも物足りないと思うものばかりだったけれど(佐藤優さんのは、キリスト教徒の視点から書いていて、その意味で斬新ですし、面白いと思ったけれど)、この本は徹底的で突き抜けている。著者の欲望について考える。この人にしか作れない本だと思う。


この本では、創価学会公明党支援について池田先生が、その時によって正反対のことを言われてきたことを歴史的に実証的に論じています。
この本で論じられていることから外れるけれど、ぼくは池田先生のはじめから変わらない部分に着目したいと思いました。池田先生の処女作はペスタロッチについてのエッセイです。池田先生が冷戦下のソ連に行った時に、確か創価学会について、「教育主義」「文化主義」などの言葉を出して、コスイギンに話していたけれど、この「教育主義」「文化主義」については、あのペスタロッチのエッセイを書いた頃からずーっと変わらないところだと思う。


自分たちについて知るっていうのは、大事だと思う。そういう認識からしか、次への賢明な一歩はないように思う。


ぼくは結構、創価学会の3代に貫通する本当の本体は、この「教育主義」や「文化主義」のところだと考えています。データなど科学的認識に依存しない信仰による部分ももちろん根底に据えつつも、これらの「教育主義」や「文化主義」を、牧口先生や戸田先生の教育研究や池田先生の「文化主義」「教育主義」を徹底するといいと思う。