サイコロを振って1の出る確率は1/6、トランプは一枚引いて、ジョーカーの出る確率は1/53というように、サイコロにはサイコロの、トランプにはトランプの確率的構造がある(量子の振る舞いも確率的にしか示せないらしい。サイコロやトランプと同じように確率的な構造をもつ物質である)。確率的現象であるかぎり、こうなったらこういう確率、傾向になるだろうということまでしか示せない。つまり、確率的現象というのは、パールの因果論のように影響しあっているという意味では因果関係があると言えるし、こうなったら必ず一つの結果が出るという意味での必然性はないので偶然であるとも言える。確率的現象は、必然と偶然に境界にある。