恐れ

ガンジーは、「恐れ」こそ「最大の不幸」であると訴えた。ゆえに“何も恐れるな!”と叫んだ。
「私は恐怖というものが嫌いだ。どうして人間が他の人間に対して恐れを抱かなくてはならないのか」「臆病は、我々が損害を受ける最も大きな悪徳であり、おそらく最も大きな暴力である」(『ガンディー私にとっての宗教』竹内啓二他訳、新評社)と。
 ガンジーは、人間の精神の第一の要件として「勇気」を重んじた。「臆病」は結局、自分で自分を貶め、痛めつけることになる。だから、臆してはいけない。負けてはいけない。
(中略)

ガンジーは“本気になって戦え”と呼びかけた。
「何かを『できるだけ』やります、という人は、その尊大さか弱さのどちらかをさらけだしているのです。(同前)と。
 中途半端なことを言うのは、傲慢か、臆病か、どっちかだというのである。
 戸田先生は、「力はありませんけど――」という人に対して、厳しく言われた。なぜ「真剣になってやります」「命をかけてやります」「最後までやります」と言い切らないのか、と。
 ガンジーの言わんとするところも同様であろう。“どんな苦労をしてでも、私はやり遂げます!”まず、そう言いなさい、と。それが「強さの印」であると、ガンジーは弟子たちを叱咤したのである。
池田大作全集』88巻所収のスピーチより

様々な悪徳があるなかで、ガンジーが「恐れ」「臆病」を「最大の悪徳」と訴えたことは、大変に興味深いです。それにしても、戸田先生は鋭いです。ずばっと見抜いちゃうんですね。