牧口先生について学び直していたら、
突然ペスタロッチの言葉を思い出しました。
「学校教育の場合特に次の点が確保されていなければならない。すなわち教師の力がほんのわずかしかないと推定されるときにも、彼はそのために害を受けないのみならず、かえって目的にかなった進歩がなされなければならない
(この点は重要だ。教授法を行う個人の技能がすぐれているためというより、その方法の様式の本性そのもののために成果が挙がるというような、そのような方法が用いられ、すくなくとも初級の知識の修了までは、教師をそのような方法の単に機会的な道具にするような教授方式が発見されない限り、民衆教育を広く一歩前進させるなどということはとうてい考えられないと私は信じる。 」46項 『ペスタロッチ全集8巻』平凡社
ペスタロッチー全集8巻平凡社
【解題】5項から主な教授の法則
1、教授の基礎は直観である。
2、学習の時期は判断や批判の時期ではない。
3、教授は最も単純な要素から出発し、そこから児童の発達に応じて心理学的の順序で行われなくてはならない。
4、教材は児童の自由の精神的所有になるまで、それぞれの点に留まっていなくてはならない。
5、教授は児童の自己活動によるべきだ。
6、教育上児童の個性は神聖なものとして尊重しなくてならない。
7、基礎教育の主要目的は、知識や技法ではなくて、精神力の発達だ。
8、知識には能力が、認識には技能が結びつかなくてはならない。
9、教師と生徒との接触、時にまた学校の訓育は愛によって行なわれ、愛によって支配されなくてはならない。
10、教授は教育の目的に従属しなくてはならない。
教授は心術の醇化ないし善への意志の強化を目的とし、内的の富を生産し、全人間を改善し向上させて、その生活と活動とに高い霊感を与えなくてはならない。
「5、教授は児童の自己活動によるべきだ。」
「学習者それ自身の活動でなければ,如何に教師が外部から骨折っても何の役にも 立たぬもので,本人の活動あってこそ初めてその効果を顕すものであることを忘れ てはならぬ。(中略)教師は飽くまでも,自らの地位を自覚し謙遜して,側面より の被教育者の補助者,誘導者,産婆役として,被教育者自身がなす活動の幇助者た ることを忘れてはならぬ」(III:66)という牧口先生の言葉と重なります。