大昔の短歌はイメージしづらいものが多かったけれど、これはイメージし易い。
大海の磯もとどろに寄せる波割れて砕けて裂けて散るかも 源実朝
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 佐佐木信綱
この佐佐木信綱は作風がウイリアム・カーロス・ウイリアムズと凄く似てる。
THE RED WHEELBARROW
so much depends
upon
the red wheel
barrow
glazed with rain
water
beside the white
chicken.
赤い手押車
あまり沢山
のっかっている
一台の赤い
手押車に
雨の滴
でキラキラと
側に白い
ニワトリたち。
(鍵谷幸信訳)
POEM
As the cat
climbed over
the top of
the jamcloset
first the right
forefoot
carefully
then the hind
stepped down
into the pit of
the empty flowerpot.
詩
猫が
ジャム入れ
の上に
のぼった
まず 右の
前足を
そっと
それから後足
でおりて
空の
植木鉢
の穴に入りこんだ
(鍵谷幸信訳)
BETWEEN WALLS
the back wings
of the
hospital where
nothing
will glow lie
cinders
in which shine
the broken
pieces of a green
bottle.
塀の間の
病院
の
裏に
なんにも
生えていない
燃え殻だけ
の中でキラキラしている
こわれた
グリーン色の壜
のかけら
(鍵谷幸信訳)
多くの小学生の心をつかむうんこの短歌を発見。嫌がる子もいるけど。
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい 穂村弘
何がなしに息きれるまで駆け出してみたくなりたり草原などを 石川啄木
目さまして猶起き出でぬ兒の癖はかなしき癖ぞ母よ咎むな 石川啄木
啄木は、おねぼうさん。やはり石川啄木って、面白い…。どちらの短歌をイメージしても笑ってしまいます。石川啄木の短歌を広く読むことによって、かなり僕の石川啄木像が修正されました。