教育の20冊

効果10倍の(学び)の技法 シンプルな方法で学校が変わる! (PHP新書)

効果10倍の(学び)の技法 シンプルな方法で学校が変わる! (PHP新書)

この本は僕の原点の一つです。この本を読んで進路を決めました。
クラスづくりの極意―ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ

クラスづくりの極意―ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ

岩瀬直樹先生の本はほとんど読んでいますが、授業法や学級経営だけではなく、仕事術まで網羅した本で、自分を振り返ると、その具体的なアイデアにとても影響を受けていることがわかります。
クラス全員がひとつになる学級ゲーム&アクティビティ100 (ナツメ社教育書ブックス)

クラス全員がひとつになる学級ゲーム&アクティビティ100 (ナツメ社教育書ブックス)

使い倒されて最もボロボロになっている本の一つ。 何かを参考にしながらではなくて、自分のストックだけで書き上げたという突き抜けたもの。考え方からアクティビティまで。
子どもの力を引き出す自主学習ノートの作り方 (ナツメ社教育書BOOKS)

子どもの力を引き出す自主学習ノートの作り方 (ナツメ社教育書BOOKS)

自学について具体的な実践を学べる代表的な一冊だと思います。僕は時に宿題だけ、宿題も出すし自学ノートもやるということを教育の仕事で経験してきて、宿題も自学の両方必要という考えです。自学なしというのは、子どもたちの家庭学習での成長のチャンスが、ある側面ではないということになってしまうのでもったいないと思う。宿題も自学も目的が違うので、両立することは可能だと自分が考えます。大人になっても宿題のように与えられる課題を避けることは難しいですし、自主学習も避けることが難しい。自分から進んで学び続けるということは、あらゆる仕事で求められていることだと思います。
牧口常三郎の思想

牧口常三郎の思想

経験から出発せよ、価値を目標とせよ、経済を原理とせよという牧口常三郎の思想は、今尚ラディカルで時代の先をいっていると思います。今の認知科学などで明らかにしてきたことの一部はもうカント、ペスタロッチ、ヘルバルト、牧口常三郎などの人たちが、観察や実践の一般化、内省で気づいていることでした。そして彼らは、昨今の量的な研究が明らかにすることの先を認識、思考していると思います(量的研究のエビデンスは大事ですが、昔の人たちの直観と内省の方が洞察が豊かだと僕は思います。それぞれ大事ですけど)。

プロジェクトアドンチャーの考え方を教育で活かすとしたどうなるのか。子どもたちの主体性を促すスタンスが突き抜けています。
フランス教育思想史 (1981年)

フランス教育思想史 (1981年)

そもそも教育や学校はなんのためにあるのか、どこからどのように生まれたのか、フランスの歴史、事例からですが、広く通じる教育や学校の意味を歴史的に知ることができます。



経験と教育 (講談社学術文庫)

経験と教育 (講談社学術文庫)

「教育者の基本的責任は、年少者たちが周囲の条件によって、彼らの現実の経験が形成されるという一般的な原理を知るだけでなく、さらにどのような環境が成長に導くような経験をするうえで役立つかについて、具体的に認識することである。何よりも先ず、教育者は、価値ある経験の形成に寄与するにちがいないすべてものが引き出せるようにと存在している環境−自然的な、社会的な−をどのように利用すべきであるか、そのことを知らなければならない」デューイ『経験と教育』57項

「何よりも重要なことは、もたれる経験の「質」にかかっているのである。」
①快適と不快の側面
②経験がその後の経験にどのような影響を及ぼすかという側面

新訳版・思考と言語

新訳版・思考と言語

概念は体系のなかでのみ自覚性と随意性を獲得することができる。自覚性、体系性は、概念に関するかぎり、まったくの同義語である。それは、ちょうど自然発生性・非自覚性・非体系性が、子どもの本性のなかの同一のものを呼ぶ三つの異なる言葉であるのとまったく同じである。(『思考と言語』ヴィゴツキー、新読書社、2001年、267〜268項)
純粋理性批判 1 (光文社古典新訳文庫)

純粋理性批判 1 (光文社古典新訳文庫)

想像力と教育: 認知的道具が培う柔軟な精神

想像力と教育: 認知的道具が培う柔軟な精神

カントの認識論の認識=直観+悟性だといった時の「直観」は、ひらめ きとか、直感、勘が良いという意味ではなくて、五官で直接観察するという ことを意味します。 僕は最初、大学生の頃、「直観」がひらめき、物事を直感的に感じ取る ことだと誤解していたのですが、カントやペスタロッチの「直観」は読んで 字の如く直接観察するという意味だと大学生の時に教えてもらった先生に修 正してもらいました。 認識の一番の基礎は直観にあって、そこから作文教育では、文章を直観す ることが大事だという話になってきます。直観からの類推的な学習というこ とにも繋がってきます。ペスタロッチ主義の教育理論にも繋がってきます。 それでカントの認識論がおそらく源流にある ペスタロッチなどの流れの教育の考え方をショーペンハウエルが「教育に ついて」というエッセイで分かり易く説明してくれていますので、最初の段 落を紹介します(教育学の歴史の中でとても大事な作品だと僕は思いま す)。 「わたしたちの知性は、その天性に従い、もろもろの直観を抽象すること によって、必ず、概念を作る。だから、まず直観が存在し、概念は後から出 来るのである。そこで、この過程が、真に、ただ自己の経験のみを、師とし て学び、書として読みとる人におけるごとく、実際に行われているならば、 人は、いかなる直観が、自己の有するいずれの概念に所属するか、また、ど
の概念によって代表されているかを、すっかり了解することが出来て、みず から直観と概念との両者を精確に知り得るから、自分の前に現れる事物すべ て、正しく取り扱うことが出来るだろう。わたしたちは、このような方途を、 自然的な教育と呼ぶべきである。」(「教育について」『女について』ショー ペンハウエル、角川文庫) このあとにショーペンハウエルは、直観に基づかない自然的ではない教育 を徹底的に否定しています。でもヴィゴツキーや、最近の教育学者であるキ エラン・イーガンは、直観が基礎にある自然的な教育だけではないよね、人 は空想から学ぶこともあるし、概念(知識)体系から、また具体的なもの に戻るような方向の学習もあるよねということなどを指摘して、ペスタロッ チ主義的な直観教育を批判しました。 たしかに学習には、概念だけで学ぶことがあるなど、そのような側面が あると思うのですが、そういった教育や学習の土台にも、直観があるとい うことに変わりはないわけです。例えば、ユニコーンのような伝説の空想の 生き物は、たぶん僕たちの直観のストックにあるものを頭の中で組み合わ せたものです。空想にしても夢にしても、そういった表出(アウトプット) は、私たちが直観したものの組み合わせ以上のものには、なかなかならな いのではないかと自分は考えています。 アトウェルの学校の生徒たちみたいに自分らで子どもたちが評価基準を 作ったとしても(それでその基準を概念体系をヴィゴツキーが指摘するよう に読み書きなどの学習に活かすという方向があったとしても)、その前には、 ある特定のジャンルの文章を直観する(さらに比較し類似性に着目する)段 階が存在するということです。 私はカントの認識論のはじめのところをしっかりおさえたら、そのあと のペスタロッチやヘルバルト、デューイなど、いろいろな教育理論の考えを 前よりも理解しやすくなりました。

In the Middle: A Lifetime of Learning About Writing, Reading, and Adolescents

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読書家の時間: 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)

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ライティング・ワークショップ―「書く」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)

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リーディング・ワークショップ?「読む」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ《ワークショップで学ぶ》)

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作家の時間―「書く」ことが好きになる教え方・学び方(実践編) (シリーズ・ワークショップで学ぶ)

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Putting the Practices Into Action: Implementing the Common Core Standards for Mathematical Practice K-8

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アナロジーの力―認知科学の新しい探求 (新曜社認知科学選書)

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わが教育者に贈る―池田名誉会長の指針

わが教育者に贈る―池田名誉会長の指針

この本は、主に創価学会の教育部向けに書かれものですが、アマゾンのレビューにあるように広く読まれてほしいと思います。この本ではないけれど、池田先生が教育について語る時に使っていた比喩(靴紐を結んであげるのではなくて、靴紐の結び方を教えて、本人が靴紐を結ぶようにすることだというもの)とインザミドルでナンシー・アトウェルが使っていた比喩が同じだと気づいた時には、とても驚きました。
クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

私はこの本の筆者の一人であるジーンさんのクラスを見たことがあります。私はジーンさんの影響をずっと受けています。
国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈上〉 (岩波文庫)

教育学の古典中の古典。
理解をもたらすカリキュラム設計―「逆向き設計」の理論と方法

理解をもたらすカリキュラム設計―「逆向き設計」の理論と方法

  • 作者: グラントウィギンズ,ジェイマクタイ,Grant Wiggins,Jay McTighe,西岡加名恵
  • 出版社/メーカー: 日本標準
  • 発売日: 2012/05/01
  • メディア: 単行本
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逆向き設計の元の本。僕が最もこの本でよかったのは、キーコンセプトという考え方について理解できたこと。例えば、体育のゴール型のゲーム全てに通じる概念に「スペース」があります。ハンドボールでもサッカーでもバスケでも突き詰めると、スペースを狙ってフリーでゴールと向き合える状態をどのように作るのかという話になってきます。このように広く通じ、応用のきく概念を鍵となる概念として考えれば、子どもたちが何を学べば良いのか、ゴールのデザインにとても役に立ちます。
 子どもたちが理解しているって、どういうことなの?どうやって評価するの?こういう問いにも具体的に答えてくれる本。
 概念の創造(キーコンセプト。キー概念、同じことだけど)ということでは、革命的な一冊だと思う。



学生を自己調整学習者に育てる:アクティブラー二ングのその先へ

学生を自己調整学習者に育てる:アクティブラー二ングのその先へ

この研究の成果を仕事に織り込むこと。


探究する力

探究する力

  • 作者: 市川力,久保一之,永易江麻,松浦貴昌
  • 出版社/メーカー: 知の探究社
  • 発売日: 2009/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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TCSのステキさは忘れられない。あんな探求を作りたいと思う。