ブルーナーは昔、学習の実験研究は典型的に、即時的結果に限定されていると指摘した。もし私たちが意味のある学習について理解したいなら、(実験対象の)『生命体をもっとずっと長くキープしなければならない』」
「学習は短期のために長期を犠牲にしがちである」p23

量的な実験研究が意味するところはとても限られている。これって、大事なところだと思う。長期的スパンで学習を考えたり理解したりことを、いろいろな学習プロセス理論は助けるらしい。

この本では、コルブの理論などとエンゲストロームの理論を比較していて、面白いです。

「実証的研究においては、学習のプロセス理論の普遍化の傾向と戦う一つのやり方は、一つの同じデータセットを用いて2つ以上の異なるプロセス理論を用いて分析し、自分の好みの理論と他のものを比較対照することである。このような分析が、拡張的学習理論と野中・竹内(1995)の知識創造の理論を並行して用いた、二つの製造業チームのミーティングにおける革新的な学習プロセスを調査した研究においてなされている。」p29

レオンチェフ(1978、p186)が指摘するように、動機を教えることはできず、ただそれは、学び手の「現実の生きた関係の内容」を発達させることによって育てることしかできない。拡張的学習は、生きた関係の物質的な変革のプロセスなのである。」p42
動機づけの小手先のテクニックはいろいろあるだろうけれど、根本的にはここで指摘されていることが大事だと思う。

https://www.amazon.co.jp/拡張的学習の挑戦と可能性-いまだにここにないものを学ぶ-Yrj¨-Engestr¨om/dp/4788515695/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1534074421&sr=8-1&keywords=拡張的学習