これは不況下における、経済政策デザインのパタン・ランゲージと言ってもいいと思う(形式的には違うのだろうけれど、本質的にそうだと思う)。経済政策の判断にも状況に応じたパタンがある。
不況下では、
①緊縮財政から距離をおく。
②人々を職場に戻す。
③公衆衛生に投資する。
この三つは、繰り返される自然実験(研究対象にしたい状況に極めて似た状況を過去の歴史から探していくる方法)から導き出されるパタン。
不況下において、このパタンに反すると、人々の健康、幸福は害され、経済は停滞する傾向にある(こうなったデータがたくさんある)。
為政者は賢明であって欲しい。
けれど、アイスランドの事例からも思うけれど、国民次第。
経済政策のデザインには、パタンがある。間違った処方をしたら、残念なことになる。医者が診断と対応を誤ったら、不幸な結果になるのと同じこと。
「経済を立て直す必要に迫られたとき、わたしたちは何が本当の回復なのか忘れがちである。本当の回復とは、持続的で人間的な回復であって、経済成長率ではない。政財成長率は目的達成のための一手段にすぎす、それ自体目的ではない。経済成長率が上がっても、それがわたしたちの健康や幸福を損なうものだとしたら、それに何の意味があるだろう?」p243
経済成長率にとっても、このパタンを重ねることが有効であると、歴史的に複数の自然実験から証明されていると言っていいと思う。
人を離れて経済はない。
仮に好況時であっても、公衆衛生や教育に投資していくことは、どの国にとっても、とても大切なことだと思います。
https://www.amazon.co.jp/経済政策で人は死ぬか-公衆衛生学から見た不況対策-デヴィッド-スタックラー/dp/4794220863/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=経済政策で人は死ぬのか&qid=1565982736&s=gateway&sr=8-1