- 作者: 「池田大作の軌跡」編纂委員会
- 出版社/メーカー: 潮出版社
- 発売日: 2009/10/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
証言と事実をもとに書いた池田大作氏の人物伝です。
このシリーズ凄くおもしろくてよくできていると思います。
司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を読んでいたのですが、
ピュアで真剣な精神に触れたくて先に少し読みました。
創価大学の主に草創期の話から読みました。草創期は大学紛争の時代です。
じーんと涙が出そうになる話がたくさんありました。
少し人生に対する純粋な気持ちを取り戻したように思います。
涙が出そうになりませんでしたが、
グサッときたり、笑えたところを本の紹介も兼ねて引用します。
==========================================
創価高校一期生の羽吹好史が初代の全寮代表に決まったのは五月上旬だった。
十代の寮生ばかりではない。他の大学を卒業してから創大の門を叩いた猛者もいる。羽吹の号令では簡単にまとまらない。
ルール作りが急務だと思った。
門限をつくろう。清掃の分担は。中心者の決定方法は。消灯時間や深夜の静粛時間を設置すべきか。
議論するほど規則が増えていく。六〇、七〇……。細目が膨れあがった寮則が創立者のもとに届けられた。
数日後、懇談の場。
「寮則を見せてもらった。みんな、ありがとう」
固唾を呑む羽吹。
「でも私がつくるとしたら一条だけだよ」
ええっ?一条だけ?
「新渡戸稲造や内村鑑三を生んだ札幌農学校の校則『ビー・ジェントルマン(紳士たれ)』だね」
肩の力が抜けていく。
「中国の歴史にも『法三章』とあるだろう。細かい規則で、外から縛っちゃいけない。一流の大学には、自主、自立が大事だよ」
漢の劉邦が法律を簡素化した「法三章」の故事を引き、ルールに縛られる息苦しさから開放した。
「たとえ学会の幹部だからといって、寮に勝手に入っちゃいけない。ましてや政治家や坊主なんか、絶対に入れるんじゃないよ」
学生第一。学生は自主、自立の自己責任に立て。
創立者と学生。他の大学では目にしたことのない「人間と人間の絆」。瞠目する教員たちが次第に増えはじめた。
==========================================169項から
ちょうど劉邦の話が出てきました。始皇帝のときに、細かく法の整備がされたみたいです。それを劉邦が簡略化したということかな。読んでる小説ではまだ序盤だから後でこの「法三章」という話が出てくるのだと思う。
たまに紳士たれと池田先生は言われます。
言われて自分の行動を振り返るたびに紳士に遠いといつも思います。
=======================================
創価学会理事長の正木正明(三期生)。今も忘れられない。
「この中に面白い人間がいる」
一九七三年(昭和四八年)三月二十六日、東京・信濃町。
くつろいだ和服姿で、クイズを出すように新入生代表へ話しかけた。
――その人は創価高校で級長だった。最初はルールを徹底。きまじめすぎて「クラスが面白くない」と突き上げられた……。
それは、ひょっとして。正木が目をぱちくりした。
――やがてその人は格好つけるのをやめた。するとクラスの空気が、何でも言い合えるように変わった。さあ、誰だろう?
正木が立ち上がる。「それは、私のことではないかと思います」。どっと笑いが起きた。
「そうか、君が面白い人か。何でも自分らしく。裸で、地でいくんだ」
その場で「ミスター地」とニックネームをつけた。
========================================216項
「ミスター地」って変な名前。
有吉とか信長みたいに毒がないですが、
変なニックネームってなんか笑ってします。
僕は寮生ではなかったですが、寮では先輩が後輩にニックネームをつけるみたいでした。たぶんここからきているのかも…。けっこう下ネタが多かった。
ミスター地でいこう。