読書 哲学ルネサンスの対話

哲学ルネサンスの対話

哲学ルネサンスの対話

今読んでいるところですが、素晴らしい内容だと思います。
池田先生の対談集は絶品の食べ物のようだ。ハービーハンコックとウェインショーターとの対談、デューイ協会のえらい人との対談も本になるが楽しみです。


カザルスの話は他の本などのメディアで繰り返し紹介されていますが、
読むたびに胸を打たれます。あり方。考え方。


マリノフの体験談の後。
マリノフ「一流の音楽家たちは、いつも生徒の演奏の上手な点に注目します。そしてそれを、彼らの欠点を矯正する出発点として利用するのです。」
池田「感銘深いお話です。『ほめて』伸ばす。『励まして』育てる。その大切さは、どれほど強調しても強調しすぎることはありませんね。
 特に今の時代は、どのような分野であれ指導者は、たとえば八割は「ほめる」、二割で「指導する」。それくらいの心がけではないでしょうか。」54項


「教えるとは学ぶことだ」カザルスの言葉の引用。54項


池田「カザルスの教えを受けた若き音楽家は、こんな回想をしています。
 あるとき、カザルスの前で演奏することになったが、大音楽家の前で気後れがして、こちこちになってしまった。それで、大変おそまつな演奏をした。
 しかしカザルスは、『ブラーヴォー! ブラーヴォー! 素晴らしい!」「見事だ! 偉大だ!」と言って抱擁してくれた。 
 ひどい演奏をしたと思った彼は、あまりの賞賛に戸惑います。
 後に、カザルスと再会した折、その時の戸惑った気持ちを正直に話すと、巨匠は当時の演奏の良かったところを一つ一つ挙げて、こう言ったといいます。
『あとは(中略)ミスばかりあげつらって人を評価するような、もののわかっていない連中が取り沙汰すればいい。たった一つの音、たった一つの素晴らしいフレーズに、私は感謝することができる。君もそうしなさい』」55項、56項



『人間は孤立すると、自己を見失う。すなわち人間は、広い人間関係のなかに、自らのより大きく、より真実な自己を見出すのである。』97項
これはタゴールの言葉の引用。さすが大詩人だと思います。自分も真実の自己を知っています。すべてが繋がっています。バンプオブチキンの新譜を聴いたときは、この言葉を想起した。