キーコンセプト

先週の他校の公開研究授業。
4年生の箱を調べようをという単元の
いろいろな展開図を考えるというオープンエンドな課題。
問題解決授業で、いろいろな展開図を書いてそれに共通することに気づくというゴール。



まずノイズを減らす努力がとてもすごかったです。
全員分×いくつか分、工作用紙を切り取った6枚の面をビニール袋にいれていたのを用意。
板書はもちろん書く時間が節約するために紙に印刷したものを用意。
ノイズが少なくスムーズに授業は流れ、子どもたちも学習活動に集中していました。




印象に残っていること。
・講師の先生の話。図形の学習で辺の長さや面の形などおさえるべき視点が授業の中で弱かったとの指摘。おさえるべきコンセプトの存在が授業の中で弱かった。だから何を話し合えばいいのか視点が不明瞭なので、子どもたちの話し合いも停滞してしまったと。ハード面でよく準備されていて、その点とてもノイズがなかったのに、学習内容の核となるコンセプトに曖昧なところがあって、それが大きなノイズとなっていました。すごくもったいないと思いました。その点がワークシートの展開図をかくときに工夫したところ書きましょうという内容の指示に表れていたと僕は思いました。


・授業者の先生はいろいろな人のアドバイスを聴けば聴くほど迷い、分からなくなってしまったと。講師の先生は聞く耳をもちつつ、どのような授業をしたいのかでアドバイスを取捨選択をする必要があると言われていた。そこで必要なのは教師の理論と哲学だと思います。僕も前年度の算数の研究授業で偉い人二人の先生に教えてもらわなければいけない状況になりました。お互いに言うことが違うので大変な思いをしました。偉い講師の先生にかなり具体的に修正するように言われたことを修正しないことはとても難しいことです。アドバイスは有り難いですが、それを理解してアドバイスをしてほしいと思います。この講師の先生みたいなスタンスをはじめに話していただけると安心できます。


・全体の練り上げについても講師の先生は指摘されていた。黒板にいろいろな展開図の事例がもっと出るようにして、図形の視点から発問をして、共通することを出させればよかったと思う。展開図をかく時に工夫したところは?という問いだったから、ゴールと関係ない、丁寧に書くようにしたみたいな回答が出てきてしまっていた。展開図が箱になる条件はいろいろな展開図のデータを一般化して出てくるものなので、その発問だとよくなかったかもと思いました。と外から見ていれば好き放題思えるし、言える。いい授業をするのは大変なことです。よく考えて、おさえるべきところをおさえないといけないです。算数に限らないけれど、重要なコンセプトをはっきりさせることがとても大事だと思いました。ここで思ったことを活かして、国語の詩集を作ろうというゴールの授業で、連やリズムなど、どんな視点で詩を読み書けばいいのか、詩の視点について明確にして授業をスタートさせることができました。これがあるのとないのではだいぶその後の展開が、だいぶというか決定的に違ってくると思う。時間がたてばたつほど、大きな違いになる。視点をはっきりさせて、詩を読み、書く経験を積み重ねれば、当然その視点が身に付き、その視点で詩を読み書き考えることができるようになる。それは算数の図形の学習でも同じことです。もしそこが曖昧だとずっと多くの子どもたちはそのコンセプトの理解が曖昧なままになってしまうかもしれないです。このことを強く思えた研究授業でした。ここでミスをしないようにしたいです。たまたま足を運んだのですが、とてもいい機会になりました。



物語文を読むことで言えば、「登場人物」「視点」「クライマックス」などのコンセプトのこと。自分がコンセプトを明瞭して、授業をできているかという、課題があるし、とてもあやしいです。意識していきたいです。子どもたちの意識は薄い(コンセプトによるけれど)。環境面もふくめて、自分の課題は多いです。修正しなくては。


ちょっと振り返っておきたかったのでよかった。講師の先生もよかったですし、授業者の先生はとても熱心で素敵な先生でした。すごく丁寧で見習いたいです。誠実さと愛を感じる人でした。

僕の被教育者として経験で、授業どうこうよりも、何よりも一番嫌だったのは不誠実な先生。ということを思い出すくらい、真逆のベクトルを感じる素敵な人でした。


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