読書記録『チームの力』 (3)

リーダーシップとは何か

リーダーシップとは、特定の状況下でチームを目的の実現に導く方法であった。そして状況の真ん中に自分がいる。したがって、リーダーシップとは、(1)特定の状況下で、(2)自分を活かして、(3)チームの目的を実現するための技能ということができる。

(p69)



リーダーシップで最も大切な要素とは何か

 「ある組織が、組織外に対して不誠実に振る舞う組織風土を黙認、もしくは奨励した場合、その不誠実さを苦痛に感じる組織内部のメンバーは組織を去ることを検討するはずです。そして実際に組織を去るまでは、苦痛をストレスを感じ続けることになります。
 対照的に、不誠実さを物ともしないメンバーは組織に残るはずです。こうして最終的に、この組織は不正行為を何とも感じない人だらけになります。そして彼らは、この組織に対しても不正行為を働くと考えられます。」(「よい影響力、悪い影響力」)

(p80)

リーダーシップにテクニックは通用しない

「リーダーシップは、人のビジョンを高い視点へと持ち上げること、人のパフォーマンスを高いレベルに引き上げること、人格を通常の限界を超えて陶冶すること、である。」

(p90)
これはドラッガーの言葉らしい。


やるべきことはシンプルである。誠実なチームを作りたいと願うならば、日々誠実に行動すればよいのである。それが結果として、誠実な仲間を集め、スタッフを育てることになり、誠実な企業文化を醸成し、消費者からも好感をもたれ、支持される組織になっていく、ということなのである。

リーダーシップにテクニックは通用しない。学級の場合は人の出入りが会社などと比べると少ないと思う。それでも誠実であることは学級でのリーダーシップでもきわめて重要だと思う。



哲学とは何か。

さて、「哲学」とは何だろうか。いろいろな考え方があるが、ここでは「前提を問い直す」ことと、「物事の本質を洞察すること」という主に二つの機能からなる”考え方”という位置づけで語っていきたい。事実、構造構成主義とは「方法とは何か」「価値とは何か」「人間とは何か」といった根本的な問いに答える理論の体系なのだ。」

(105)


方法の原理

 構造構成主義において、方法とは、「特定の状況において使われる、目的を達成するための手段」と定義される。何気ない定義にみえるかもしれないが、これは方法の本質ーー最も重要なポイントーーは、「状況」と「目的」という2点にあることを示している。

(p106)

 つまり、どんな状況、目的においても機能する「絶対に正しい方法」はないのだ。換言すれば、これまで「正しい」と思っていた方法も、状況や目的が変われば、「間違った方法」になりうる。この「方法の有効性は、(1)状況と(2)目的に応じて決まる」という”方法の原理”は、いつでもどこでも例外なく妥当する。こうした”普遍性”を備えた考え方が”原理”なのである。

(p107)



”方法の原理”を共有することは、建設的に議論を重ねるためにも有効だ。それによって、”状況”と”目的”に照らして、ベターな方法を提案し合う建設的な言語ゲームの枠組を作ることができる。
 さらにこの方法では、多くの人の知恵の反映できるのみならず、アイデアをみんなで具体的なかたちにしていくことになるため、それぞれのメンバーにとって、「子ども」のように愛着を持てるようになり、自然と立派に育て上げたい、成功させたいというモチベーションにつながるメリットがある。

(p133)


どんな方法が有効か考える際に、状況と目的から方法を考えないと失敗する。


引用しなかったところも含めて、いろいろ思うところはあるけれど、眠い。寝ます。



振り返りの振り返り


やっぱり大学の入学式の時に、先輩からいただいた本のことを思い出す。
大学の先輩からもらったシェークスピアの本の見返しに書いてあった「誠実」という言葉。

あとハムレットのセリフ

妃 おお、ハムレット、お前はこの胸を真二つに裂いてしまった。
ハムレット おお、それなら、その穢いないほうを棄てて、残ったきれいなほうで、清く生きてくださいますよう。では、おやすみ。が、けっして叔父上の部屋へいらしてはなりませぬ。操はなくとも、せめてあるようにおふるまいになることです。習慣という怪物は、どのような悪事にもたちまち人を無感覚にさせてしまうが、半面それは天使の役割もする。始終、良い行いをなさるようお心がけになれば、はじめは慣れぬ措置も、いつかは身についた普段着同様、おいおいお肌に慣れてくるものです。今宵一夜をおつつしみなさい。あすの夜はもっと楽になりましょう。その次にさらにたやすく。こうして習いは性となり、人は、知らぬまに、悪魔にてなずけられもしようし、それを追いだしてしまうことも出来る。

「誠実」と「習慣」がキーワードだと思う。普段の生活でも仕事でも。


方法の原理を共有すれば建設的な話し合いができる。何か方法をチームで考える時には、目的と状況からベターな方法を考えて伝えあうようにするといい。当たり前のように思うのけれど大切なこと。方法の原理の「目的」と「状況」という言葉が方法を考える際のキーワード。「目的」と「状況」から考えないで、方法について主張することは意味がないということになる。