面白い歴史と事実を見つけた(前にもランキングで見かけたことがあるのですが、割と詳しい説明があって意識に長く止まった)。p93でアウトワード・バウンドが出てくる。川をカヤックで下ることや、岩壁をザイルで降りることがなぜ数学や読解を向上させるのか。この効果を理解するために10年かけて、ハッティらはアウトワード・バウンドと協力しているということ。ここに10年間の見解の要約みたいなのが書いてある。一言で言うと、キャロル・ドゥエックの成長マインドセットにつながるような話。
 
それで、さらにキャロル・ドゥエックの研究と関連づけて続きが書いてある。最新のメタ分析によると成長プログラムの効果量は極めて低いことを示していることが紹介されている。しかし、これは主にほとんどのプログラムがドゥエックが要求したものになっておらす、適切な状況で硬直したマインドセットを成長のマインドセットに切り替えることが非常に困難になっているからではないかと指摘する。
 
ドゥエックの研究の成長マインドセットの教育プログラムの効果量がないとか少ないと言うのは見かけたことが何度かあるけれど、やはりおかしいなと思っていた。
 
当時、ドゥエックをもちろん知らなかったのですが、何でかというと自分が硬直マインドにかなり陥ったことが10代のときにあって、そこから成長マインドに変わっていたと言う自分の歴史があるから。大変な状況の中でも自分が変わっていける、にも関わらず一歩踏み出せるようになると言うことは、短期的に、この考え方は影響が少ないかもしれないけれど、長期的に決定的な影響を与えることは明らかだと考えています。
 
アドベンチャー教育には、ドゥエックの研究を追った教育プログラムが失敗したレベルに陥らない、成長マインドセットを育む良質なものがあるんじゃないかな。それは長期的には、数学や読解をも向上させるということ。僕は硬直マインドセットに陥って弱り切ったこともあるし、長くはないけどアドベンチャー教育を受けた経験もあってそう思う。
 
前も見かけたことがあったけど冒険教育の効果は、0.52でかなり高い効果量になっている。ここでの統計の実験のアウトプット(学力)がそのさっき出てきた数学や読解ですからね。教育の面白いところだと思います。
 
 
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