この本で得られたことは、最も根本的な現象学は全ての学問を基礎付けるアプリオリな学だということ。
 
またカントとの類似性をいくつか見つけた。どちらもアプリオリな学だということ(ここの類似性というか同じところからプラトンもまたそうだったのだと気づいた。左右田喜一郎も同じだ。極限概念とはそういうことだな。牧口もそういう意味で同じ思考法を用いていると思う)。またカントの用語で言えば物自体をエポケー(判断停止)して、現象について考えていくという意味で、その構造が同じです。
 
フッサールについての入門書を自分は、5、6冊は読んできたと思うけれど、やはりどの入門書でもそれほど解釈に違いがなかったのは、難解とはいえ、フッサールの主張はかなり明晰なものだったからだと思う。
 
カントとフッサールについて学ぶと、疑いようながないというか、ひっくり返すことが困難な(少なくとも自分には今のところ不可能な)認識、学問の基礎をかなり得ることができると思います。
 
カントの道徳論では一部分、反例を出してひっくり返せたところがあったけど、カントの道徳論の根本的なところは揺るぎのないものだと思う。
 
僕は歴史家ではないので(歴史的な関心もないわけではないけど)、カントとフッサールの差異よりも共通点に興味があるのだ。