当時の哲学や科学の良質的な知識の結晶のような人物です。今もラディカルで新しいと思う。結局、カント思想の枠組みをフッサールは超えていないから。牧口は「経験」と「普遍的妥当性」という概念を使っているけれど、フッサールにとても近いと思います(カントの枠組みを超えていないけれど、何を明らかにしたのかはフッサール研究者が指摘するところ)。牧口常三郎の本は必読書だと思います。知らないのか、スルーしている(無視している)のかこれをレビューで触れないの?と苦笑してしまう。僕の場合、高みの見物ではなく低みの見物ですけど。
 
牧口はカントが背景にあるから、今でいう構成主義が土台にある。しかし客観主義者的なところもあって、その境界にある人だと思う(カント批判していて思想内容としてもメイヤスー的でもあると思う)。フッサールは客観主義を否定してカントによっているわけだけど。
 
牧口を読むと、アレグザンダー的なところも、フッサール的なところも、科学的なところも、構造主義的なところも、認知科学的なところも、デザイン研究的なところも、メイヤスー的なところも見られて、本当にすごい。
 
プラトンの哲学に哲学史の全ての問題が詰まっているみたいな話(プラトンの哲学の焼き直しだったかな)を聞いたことがあるけれど、それに近いのかもしれない。