人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)


Kindleで購入。
はじめにあるけれど、
そもそもチームを作る理由は一人ではできないことでも集団ではできるからだ。


ただ自分の授業に引き寄せて考えると、結果ではなく個人の成長がゴールなので、その理由は協同学習をする理由にならないかな。


ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」
これも協同でやる理由のひとつになると思う。
しかし個人のパフォーマンスでも友だちに助けてもらうことができる。


これ読んでから今日仕事しよう。
研究授業や試験に関わる本。


子どもたち一人ひとりの成長がゴールだから、
それを基準にクラスの子たちの状況なども考慮して、
何がいいのか考えていきたい。



腐ったリンゴ効果
腐ったリンゴ(自分の利益を優先して集団の利益をないがしろにするような利己的な振る舞いをする者)
腐ったリンゴを取り除いたほうがいいって。
よく分かる部分ではあるけれど
(とても利己的な人がいると、その悪影響は大きい)、
人を相手にしているから、取り除くなんてことはできません。
罰を与えるのと、集団への明確な目標設定をくらべて
「腐ったリンゴに罰を与えるより、腐っていないリンゴを活性化させるほうが効果的であることが示されたといえる。」


学級ではほんとうに、ふつうにがんばっている人たちが、がんばった分だけ成果が出て認められる状況がやはり大事だと思う。大変な子にエネルギーを注ぎすぎて、他の子たちが疎かになるのが一番怖い。人数多いけれど、よくできる子たちへのフィードバックも大切で、そういった子たちも個別カンファランスによってさらに力を伸ばして行きます。







掃除なんて集団のパフォーマンス。
一級掃除士みたいに評価を明確にするのも社会的手抜きを防ぐ方法。今年度はやっていないので、やろうかな。ノート検定もはやいうちにやったほうがいいかもしれない。評価って大事だ。


社会的に手抜きの原因
・道具性の欠如(自分ががんばっても、集団の業績にあまり影響しない)
・努力の不要性
・評価可能性の欠如


社会的手抜きに対する手だて。
おおまかにまとめると


・即時フィードバック
・集団の目標を明示する。
・評価可能性を高める。
→個人の役割の明確化
→監視テクノロジーの発達
お互いを見合う監視し合うような手だてはできるかもしれない。フーコーの本を思い出す。
→逐次合流のテクニック


・グループの規模の調節
多ければ多いほど社会的手抜きが出てくる


分割不可能な課題では、
役割分担ができないので、社会的手抜きを生じやすい。



社会的促進がどのような時に起きるのか。
・他者が自分の行動を見ている。
・共行動をしているとき(自分も他者も同じ内容の作業をしているが、互いの交流はなく、かつ個人の業績が明らかになる事態)。


個別のパフォーマンス課題にしても、学級っていうのが集団だから、この社会的促進の効果が得られているのか。お家で一人のお勉強にはないメリットが学校という集団の場にはあるのだと思う。



掃除とか個別に掃除というわけにもいかないから、役割分担を明確に、評価もされるようにすることか。


学習に関してはチームでやることのリスクをしっかり認識していることが大事だと思う。そのよさもあるけれど、残念な人がチームの中にいると、その他の真面目な人たちがかわいそうなことになる(そのストレスは大きいと思う)、そんなチームも出てくる可能性がある。学習の目標から考えると、評価の面でも個人パフォーマンスが基本的によいように思った。本当に明確な意図があってのチーム学習かな。

社会科のむかしのくらしの単元は分割可能な課題だから、役割分担がやりやすい。どうしようかな。子どもたちにもよるかな、手法の選択の決定するのに。今のクラスはリスクが少ないほうを選んだほうがいいかもしれないかな。ただ音読発表会はグループだった。あれはよかった。評価基準も明確だったし、役割分担もはっきりしていて、評価されるチャンスも発表の後にあって。ポイントをしっかり押さえるとグループ学習もそれなりに上手くいく。評価可能性のところでは、他の学年に発表しにいくとか。総合で去年6年生が下の学年に発表していていいとなあと思いました。フィードバックが拍手だけだったけれど。


課題が分割できないような(=役割分担が難しい)時は、チーム学習は適していない。



評価可能性を高めるとか、できることやろう。


ただいま四時半。これから仕事か。
ただ学習では、個別に基本、パフォーマンスさせようと思った。
あと集団でパフォーマンスしなきゃいけない場面も学校ではなるので、それはこの本のポイントが押さえられるように努力したい。



掃除
一級掃除士とかやろう。評価基準を明確にして。


給食準備
基本、タイムアタックを続ける。あとがんばっている子へのフィードバックをしっかりしよう。


目新しい感じはなかったけれど、
大切な視点やポイントの整理ができたと思う。けっこうよいヒントとなる本でした。