・写真は、前のページの人生の目的の全般を幸福という一語で表し切れるのかという質問についてのところ。
 
・苫野一徳さんの教育哲学に対して無敵だなんだというのは、思考停止かなと思います。幸福に代わるかは、まだ判断がつかないですが、教育学の指針原理として自由について苫野一徳さんが論じたことは大切なことだと思います(少なくとも無敵だなんだじゃなくて、教育哲学、思想として批判する必要があると思います。学者さんの発言で見かけたけど)。今のところ、どちらも教育の目的に相応しい言葉ではあると思う。
 
・「カントの幸福観には明らかに社会的要素が含まれてをらなかった。」について。当時は哲学として社会という用語が一般化されていなかったということが注釈で指摘されている。カントの「自分も他人も、手段としてだけではなく目的として扱え」という有名な言葉もそうですが、のちの社会理論や哲学、法学などに大きな影響を与えています。カントについては、のちの歴史に残るような哲学者も誤解しながら自分の哲学を紡いでいった人もいるみたいです。斎藤正二先生が、当時、世界的にみても、カントの哲学を正確に捉えていた数少ない人が牧口常三郎だったと評価していたけど、そんな牧口でもカントを誤解していたり、読み方に問題があったりするわけです。
 
・この本は本文も注釈も油断できない、すごい本(笑)。
 
牧口常三郎全集第5巻』p128