昨日は市の一斉授業研究会だった。教育フリーク二人による練りに練られた読書教育でとてもよかったです。2年間の時間軸で計画された学習経験の設計の一端(終わりの方)を見せていただきました。感謝。
この個別化の授業の、国語、読書教育を支える重要なパタン、工夫はたくさんあったけど、キーコンセプト(概念型の教育)に支えられていることにどれだけの人が気づいていたのかなと思った。僕が見聞きした人の中では、全く話題に出ていなかった。講師の話にも全くなかった。授業者の方も当たり前のようにできてしまい、もしかしたら自覚がないのかもしれない。
その人の教育の概念体系に、概念型の教育についてなければ、意識すること、自覚することもできない。こういった概念化、体系化の意味にはついては人間全般に共通すること。
 「うみの命」という作品が主教材の読書会の授業だった。授業の中で、子どもたちは、テーマ(話題)や課題によって、自分たちでグループを授業内で組んで話し合ったり、さらには、授業内で目的に応じてグループを組み直して話し合っていた。
これができたのは、話し合う価値のあるテーマ(話題)の選定に成功していたからだったと思う。「成長」するとは、どういうことか。「成長」という様々な物語、文学作品に共通する鍵概念を軸に子どもたちと話し合う価値のあるテーマ(話題)を精選、体系化していた。「成長」とは何か。自分の「成長」を支えるものはなんだろうか。自分自身のこれまでの経験や読書とも関連づけて考えいく。話しあう価値のある読書会のテーマ(話題)を作る段階から、多くの文学作品や物語に共通する主人公の「成長」という概念が、その後も貫いていたのは、この教育設計が効果的になっていた一つの要素だったと思います。
多くのテーマ(話題)があったけど、例えば、「村一番」と「一人前」には、どのような違いがあるのだろうかというテーマ(話題)について、あるグループの子どもたちは熱心に解釈を伝えあっていた。「成長」という概念が教育設計の軸にあるから選ばれたテーマ(話題)だったと考えることができる。そのテーマは、作品のテキストの解釈を深めるためにも、「成長」とは何か、「成長」を支えるものはなんだろうかという問いに答えるためにも、自分自身の成長について考えることにも価値のあるテーマ(話題)だったと思う。