千葉雅也さんが複雑なもの複雑なものとして徹して表すことの価値を推し続けているけど、一方、一般化することの価値も大切なのだ。どちらかではない。千葉さんは、どちらの価値についてもちゃんと表現している。千葉さんの、そういうバランスが取れているというか、そういうところが好きなのだ。

一方が強くなり過ぎているから、もう一方の価値に気づいてほしいということなのだろうけど、勘違いする人が出てきそうではある。

ツイッターを見ていると、一方の価値ばかりという人を見かけるかな。

状況に応じた考え方ではなくて、一つの思想(考え)を絶対化している。絶対化しているレベルの抽象度が低くて、誤っているのだな。カントみたいな思考法で、幾何学みたいな思考法で公理みたいなのを仮定して見つけることはできると思うけど(でもそこも吟味して、そうではない裂け目みたいなものを考えることも大事だと思う。バートルビーの存在みたいに)、残念ながら、少しの吟味でそうではないと反例が出てきて崩れてしまうようなところの命題を真であると絶対化してしまうと、そこから演繹し続ける限り、ずっと誤りづつけてしまうことになる(ある時にはうまくいく、正しいが、状況や組み合わせによっては間違っているし、うまくいかないのだ)。