無藤隆

国語は積み重ね型、算数・数学は新規まき直し型。
 算数・数学は積み重ねといったりしますが、実際には国語がそうであるわけです。
 算数・数学は、新たな概念が入ると単元が独立するので(三角関数みたいに)、それとしてある程度の理解が可能です。予備知識が必要でも、比較的短い時間でそれをその時に教えれば済む。(実際に授業であまりそうしていないというのは別な問題として。)
 国語は面白いことに積み重ね型であると同時に、落ちこぼれというのが明確でないのです。国語力とは語彙力が基本であるわけですが、語彙は極めて膨大な量で、でも、語彙は互いにそれぞれ比較的に独立なので、どれかが分からないと先で困るということがあまりないからです。同時に、例えば、語彙量が1万語と5万語という具合におそらく中高生では差がついているので、追いつくのは週に1・2時間復習すると何とかなると言うことはありません。
 ちなみに、国語の授業は何のためにあるのか。語彙力は圧倒的に読書と日常のやりとりで形成されます。国語の授業の寄与の程度の調査はないので分かりませんが、そう大きなものでもないだろう。たぶん、国語の授業は文章の読み取り方や書き方の自覚的なやり方を教えているはずです。でも、従来、国語そのものを教えているということとごっちゃになっていたのではないでしょうか。そのスキルの指導へと明確に比重を移すべきだと思います。スキルと作文実践と暗誦が中心となるべきだと思います。

学び抜かれている方の話はおもしろいです。
算数・数学で、ちょっと学び直すだけじゃ、ついて来れない人はたくさんいますけどね。


国語科の授業も、体育も時間が少ないと思うけれど、何を優先するのかって、難しい問題、避けては通れない。何に多く比重を割くのか。